ヤマザキマザック→航空機部品の大型工作機

新工場を秋に着工、国内で地産地消のビジネスモデルへ

 ヤマザキマザックが伸び盛りの航空機産業を狙い、国内における大型工作機械の生産、販売に力を入れ始めた。三重県いなべ市に大型工作機械を生産する新工場について、今秋をめどに着工するほか、本社(愛知県大口町)に航空機部品加工に焦点を当てたショールームを今夏までに開設する計画だ。航空機産業向けの生産と販売は、国内を軸にするのが適地生産・適地販売にかなうと判断したようだ

 「日本を含め各国の航空機関連産業で多くの設備投資が見込まれている。造船、鉄道、建設機械向けでも大型の工作機械のニーズが高まっている。そういった流れを見据えた生産を国内でさらに進める必要がある」。

 山崎智久社長は新工場建設の背景をこう説明する。三重県いなべ市に新設する「いなべ製作所」(仮称)で主に作る機種は、航空機産業などの重工業向けの大型5軸制御加工機。現在、5軸機の生産はいなべ市の隣の桑名市にあるグループ会社のヤマザキマザック精工が担うが、これを順次、2019年度中の全面稼働までに新工場へと移管する

 重工業の生産現場では部品のサイズが増すにつれ工作機械も大きくなっているが既存工場でより大型の工作機械を作るには「設備や床面積の関係で制約が出てきている」(山崎社長)。

 新工場の延べ床面積はマザック精工の工場の2倍強。天井もより高くして、物理的な制約を取り払い、工作機械の大型化の要求に応える。モノのインターネット(IoT)の導入も推進し、「これからの先端技術を取り入れたスマートファクトリーの集大成ともいえる最新鋭の工場」(同)にする考えだ

 航空機は欧米の大手メーカーが潤沢な受注残を抱え、部品供給を担う国内部品メーカーの生産活動も当面は旺盛な見通しさらに国産初のジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の量産が始まれば、さらなる活性化も予想される。各国で堅調な航空機産業だが、とりわけ国内で成長産業としての期待が高い

 こうした中、マザックは本社の既存のショールームを改良し、航空機部品生産に必要な機械や技術を紹介するのに特化した『エアロスペース・テクノロジーセンタ』として、今夏までにオープンする予定。国内で特定の産業に狙いを絞ったショールームを作るのは同社で初めての試みとなる

 ヤマザキマザックの経営戦略の基本は地産地消。その原則に従い、市場がグローバルに広がるにつれ、業界に先駆け海外生産を積極的に展開してきた。一方で、高性能、高付加価値の製品はマザー工場である国内で作る方針も掲げる。航空機産業は大型の5軸機という高性能、高付加価値の工作機械が求められ、かつ国内で需要の伸びが見込まれる市場だ。マザックの一連の施策は航空機産業向けのモノづくりが、国内での地産地消に適したビジネスであることを示していると言えそうだ。

ニュースイッチ2016.03.25

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