ミカン畑復旧へ「オール熊本」始動

全国屈指の温州ミカン産地、熊本市が熊本地震で被災したミカン畑の復旧に向け、緊急プロジェクトに乗り出した有明海を見渡す金峰山(きんぽうざん)の山あいでは、畑を囲う石垣の崩落が相次いだ。国や県、農協を巻き込み、極早生ミカンの出荷が始まる今秋までの完全復旧を目指す

農林水産省によると、平成26年度産の都道府県別収穫量ランキングで、熊本は9万4900トンの全国4位になった

特に、熊本市の旧河内町地区は、江戸時代半ばから温州ミカンの栽培が盛んで、昭和7年には、県立果樹実験場ができた

いまや、JA熊本市柑橘(かんきつ)部会も、約400人が加入する大所帯だ

だが、4月の熊本地震で同地区は一変し、畑を補強する石垣が崩れた。市農水局の調査で、被災農家は382戸を数え、2109カ所(200アール)の被害を確認した(5月26日現在)。

石垣を元に戻さないと農家の生産意欲が下がりかねない。梅雨入りしたこともあり二次災害も心配だ

市農水局は早速、九州農政局や県、地元の集落の区長らにも呼びかけ、復旧プロジェクトを始動した

極早生ミカンの出荷が本格化する9月中旬にゴールを設定した、ロードマップも作った。

石垣の復旧をめぐり生産農家が手積みで元通りにする場合、市には単独で補助金を支給する仕組みがある。それとは別に一部、自己負担はかかるが、新たに石を購入し、崩れた石と交換する際の国の補助金事業もある。

プロジェクトチームは被災農家向け説明会を繰り返し開き、こうした選択肢を提示した。生産農家の意向をふまえ、石垣の修復に取りかかった。

熊本市農地整備課の森田健次課長は「石垣が崩れたままでは生産者の足元が不安定で、手入れ作業も危険を伴う。関係者一丸となり、熊本ミカンのブランドを維持したい」と固く誓う。(谷田智恒)

産経新聞2016.06.12

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