パナマ文書→中国指導者親族の名も

中国の習近平・国家主席ら共産党政治局常務委員3人の親族の名前が、租税回避地(タックスヘイブン)に関する「パナマ文書」に記載されていることが、「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)の調べで分かった。英紙ガーディアンなどが報じた。習主席は今年9月に中国・杭州で開く主要20カ国・地域(G20)首脳会議で、自ら進めてきた汚職撲滅キャンペーンの成果を国内外にアピールするとみられていただが、党最高指導層の親族らの不透明な資産管理が疑われ、難しいかじ取りを強いられそうだ

報道によると、共産党政治局常務委員の現役メンバー3人と経験者5人の親族が関与する会社がカリブ海の英領バージン諸島や南太平洋のサモアにあり、多額の資産隠しが疑われている

習主席の義兄(姉の夫)は同諸島に登記されている3社の株主であり、1社は2007年に解散、2社は習氏が党トップの総書記に就任した12年ごろから休眠状態となった

また、劉雲山・党政治局常務委員の義理の娘が同諸島の会社役員を務め、張高麗・副首相の義理の息子も3社の株主になっていたほかにも李鵬・元首相の娘で国有電力企業幹部である李小琳氏や故・毛沢東氏や曽慶紅・元国家副主席ら党政治局常務委員経験者の親族が関与する会社があったICIJは習氏の義兄らにコメントを求めたが、いずれも回答はなかったとしている

中国外務省の陸慷・報道局長は7日の定例会見で「この問題について評論しない」と述べた中国のインターネットで「パナマ文書」と検索しても「通達に基づいて、検索結果を削除した」と表示されている

 内部文書は中米パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から流出。同事務所のホームページ(HP)によると、同事務所は香港や中国大陸の主要都市に拠点を置いている香港版HPでは「1987年以来、中国の政府機関や法律事務所などと協力して中国企業の海外進出を支援してきた」と中国側とのパイプをアピール。AFP通信によると、同事務所が手がけた事業の3分の1が香港と中国の拠点を通じた業務だったという

中国では経済発展とともに権力を掌握する共産党幹部の腐敗が深刻化し、00年代から権力と財力をかさに着た幹部子弟の豪遊、横暴ぶりが庶民の反感を買うようになった。さらに、党幹部が親族を隠れみのに海外に膨大な財産を保有する例も相次いだ

12年に発足した習政権は党内の基盤固めも狙って反腐敗の徹底を旗印に掲げ、周永康・元党政治局常務委員ら大物幹部を次々と摘発して世論の支持を得ていた

昨年9月にワシントンであった米中首脳会談では、中国が議長国となるG20首脳会議で、腐敗防止に向けて両国で協力することを確認していた

タックスヘイブンを巡っては、09年にロンドンであったG20首脳会議でも規制強化が首脳声明に盛り込まれるなど、近年、繰り返し議題になっていた

パナマ文書をきっかけにした国際スキャンダルに中国共産党最高指導層が巻き込まれたことで、習氏が国内外でアピールしてきた反腐敗運動に傷がつきかねない事態となり晴れ舞台のはずだったG20で一転して苦しい立場に置かれかねない恐れが出てきた

毎日新聞2016.04.08

  images-3-48-150x150images

【関連する記事】