パナ、国内TV販売2倍に→五輪追い風

パナソニックは8日、平成32年度の国内のテレビ販売台数を、27年度見込みの約2倍となる250万台以上に引き上げる計画を明らかにした32(2020)年の東京五輪に向けて都内などで建設が相次ぐホテルへの納入に加え、観戦用のテレビ需要を取り込む低迷が続いたテレビ事業は27年度には黒字化する見通しで、五輪特需を追い風に反転攻勢を狙う

4Kで初の首位

パナソニックの国内のテレビ販売台数は採算悪化による生産縮小で24年度からは年間100万台程度で推移しており、27年度は約130万台の見込み。ただ、最近はフルハイビジョンの4倍の画質を持つ4Kテレビの高価格機種の販売が好調で、27年4~12月の4Kテレビの販売台数では約3割のシェアを占めて初の首位に立ったという

最盛期の国内のテレビ市場は年間1千万台とされたが最近は500万~600万台に落ち込んでいるパナソニックは32年度には五輪特需などを背景に、700万~800万台まで回復すると予想。五輪の最上位スポンサーの立場を生かした広告戦略などにより、4Kテレビへの買い替え需要を取り込む建設予定のホテルからの受注も始まっているという高精細な有機ELテレビの投入なども検討する方針で、「32年度には3割以上のシェアが獲得できる」(テレビ事業部の品田正弘事業部長)とみている

パナソニックのテレビ事業は20年度以降、赤字が続いている。ただ、プラズマテレビからの撤退に加え、中国や米国などの不採算地域で商品数を絞り込んだことから赤字幅は縮小国内も高価格製品へのシフトで採算が改善し、27年度は8年ぶりに黒字に転じる見通しだ

電機大手ではソニーが26年度に11年ぶりのテレビ事業の黒字化を果たした。パナソニックは五輪の商機をつかみ取り、国内市場でのトップシェア確保を目指す。

■復調でも“やせ我慢”は続く

パナソニックなど国内電機メーカーのテレビ事業に復調の兆しがみえてきた大規模なリストラなどが奏功したためだが、中国、韓国勢との競争にさらされる中、収益確保は容易ではない。そんな状況でも事業を続けるのは、テレビが消費者のイメージを大きく左右する商品で、ブランド維持には欠かせないためだ

国内メーカーのテレビ事業は構造改革を経て、立ち直りつつあるとはいえ、韓国サムスン電子などのアジア勢が世界市場で確固たる地位を築いている国内市場も少子化による先細りは必至で、「もはやテレビ事業で大きく稼ぐ時代ではない」(電機大手幹部)。

その一方で、国内、海外を問わず、テレビが今後も家電の中で大きな存在であることに変わりない。ブランドを知ってもらうきっかけにもなるだけに、事業の価値は「利益だけでは測れない」(同)面もある。

あらゆる機器をインターネットにつなぐ「モノのインターネット(IoT)」時代の到来によりテレビが将来的にはネットを介してさまざまな家電を結び付けて操作する主要な機器になることも予想される事業から撤退すれば大きなチャンスを逃しかねない

 アジア勢に対する技術的な優位性を保ちつつ、商品の差別化や一段の生産効率化などを通じ、黒字を維持できる体質に転換することが生き残りの条件になる。“やせ我慢”はこれからも続く

参考 産経新聞 2016.01.09

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