バイオマス・風力で市場を開拓できるか?

フィンランド・ボルダーが北海道・東北で
フィンランド社製の小型木質バイオマス発電機を扱うボルタージャパン(秋田県北秋田市)は5月末、日本初号機を本社工場と近隣の道の駅に導入する日本では珍しいコージェネレーション(熱電併給)型として熱利用も訴求する。また、ゼファー(東京都港区)は北海道と東北地方の10社と小型風力発電設備の特約店契約を結び、営業体制を整えたバイオマス、風力とも大型が主流だが、2社とも小型ならではの使い方や導入のしやすさを打ち出し、市場を開拓する。

ボルタージャパンの本社工場は製品組み立て施設として2017年1月に営業を始める。先行してフィンランドのボルター製小型バイオマス発電機「Volter(ボルター)」を導入し、5月末から試運転する。発電した電力は売らずに本社工場で自家消費する。道の駅も売電せずに、施設の電源や熱源として活用する

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 ボルターの出力は40キロワット日本のバイオマス発電の大半を占める同2000キロワット以上のプラント型設備は、郊外に置くため熱を利用できない。だが、小型のボルターは建物に設置し、熱を施設の暖房や給湯に使える

光熱費の削減効果が大きい温浴施設や栽培施設、非常時に電気も湯も確保したい公共施設に提案する1日当たり杉1本程度、約1トンの燃料があれば運転できるので、木材収集も容易。電現ソリューション(東京都港区)と共同で営業する。

●ゼファー、設置工事7日以内で
ゼファーは小型風力発電の専業メーカー出力4・9キロワット機を15年に発売し、風が安定的に吹く北海道と青森、秋田、山形、新潟の4県で特約店10社を設定した。北海道ではヤンマーアグリジャパン(大阪市北区)も特約店を担当する。16年度は九州でも特約店を開拓する。

 小型風力は同じ出力の太陽光発電よりも設置面積が小さく、設備利用率も勝るので売電量が多い1基2000キロワット以上の風力発電と違い、4・9キロワットなので環境影響評価の手続きを必要とせず、工事も7日以内で完了するため導入しやすい

再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)が始まった、12年から15年末までに稼働した2000キロワット未満のバイオマス発電(未利用木材)は3件にとどまる。風力も20キロワット未満の認定件数が329件となっており、普及の余地が大きい。

<解説>
 20キロワット未満の風力の買い取り価格(売電価格)は1キロワット時55円(税抜き)。20キロワット以上が22円(同)なので、小型は作った電力を倍の価格で買い取ってもらえる。太陽光、バイオマスなど他の再生エネの中でも55円は最も高い。それだけコストダウンが進んでいないといえる。小型は設置実績が少なく、知見も少ないので電力系統との接続方法が(ルール)十分に標準化されていない課題があってコストダウンも進んでいない。

ニュースイッチ2016.05.01

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