ニホンニュウム→研究は国民に刺さられた

◇理研、森田さん会見「命名できて国民に恩返しできた」

原子番号113番の新元素を合成し、「ニホニウム」との命名案を公表した理化学研究所チームの森田浩介グループディレクター(59)らが9日午前、埼玉県和光市の同研究所で記者会見した。「研究が国民に支えられていることを表すため日本にちなんだ」と命名理由を説明。「(命名できて)国民に恩返しできた」と喜びをかみしめた。一方、「新元素発見の歴史は原子力開発と不可分。そのルーツを忘れてはいけない」と自らを戒めることも忘れなかった

森田さんは「現在の動機は純粋な科学的興味に移った」と述べつつ、「人工元素で最も作られたのは原爆や原発に使うプルトニウムだ『強力な原爆を作る』という思いから新元素発見競争がなされた時代もあった」と指摘した

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2003年に始めた今回の合成実験で、11年の東京電力福島第1原発事故の影響から電力使用が制限される中、同研究所はチームに電力を優先的に融通するなどして力を入れてきた実験成功を確実にする3個目の合成はその後の12年8月だった。このため森田さんは、同9月に発表した論文に「東日本大震災と原発事故の被災者にささげる」と記したことも明かした。

会見に先立ち、同研究所を視察した馳浩文部科学相を案内。「次の目標は119番、120番元素の合成。(実験施設である)加速器の増強に約40億円かかる」と国の支援を求めた。【阿部周一】

毎日新聞2016.06.09

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