ナマコ→増える密漁

北海道小樽市の第1管区海上保安本部によると、2014年のナマコ密漁事件の逮捕者数は前年比9人増の31人、押収量も61.5キロ増の計1440キロといずれも過去6年間で最多となった中国市場での需要増を背景に暴力団などの組織による手口も巧妙化しており、1管は取り締まりを強化する。【遠藤修平】

◇道産品は高品質

1管刑事課によると、ナマコ密漁の逮捕者数と押収量は、2009年は5人、14.24キロだったが、13年から22人、1377キロと急増していた逮捕者の多くが暴力団関係者。道南で海保が逮捕した密漁グループと、約2年後に道警が逮捕したグループがほぼ同じというケースもあった。

暴力団の密漁の標的になっていたのは、かつてはカニやアワビ、ウニだった。しかし、ナマコは他の海産物よりも比較的漁獲が簡単なうえ、10年ほど前から中国で高級食材として人気となり価格が高騰していることも狙われる背景にある

財務省貿易統計によると、乾燥ナマコの輸出量は04年は223トン、55億円(1キロ当たり約2万5000円)だったが、13年は170トン、98億円(同約5万8000円)と単価が2倍以上になった輸出先の95%以上が香港や中国、台湾で、道産ナマコは高品質で人気だという

◇役割分担図る

「車の中を見せなさい」。昨年5月24日深夜、小樽海保の係官が石狩市新港中央の路上で不審な乗用車を発見した。車内から小樽市張碓沖で密漁したナマコ計249キロを発見。小樽海保は、暴力団員幹部や仲買の会社役員ら計13人を道海面漁業調整規則違反容疑で逮捕した。1件の密漁事件としては、11年に枝幸町であった事件に並び最多の逮捕者となった。

1管刑事課によると、暴力団は潜水器具やゴムボート、大型乗用車を用意実際に密漁するダイバーや見張り、受け取り役など分担を徹底しているのが特徴だダイバーの潜水訓練を組織内で実施することもあるという

 ナマコ漁は定められた漁期の中で行われ、漁協に加入する漁業者でも申請が必要で厳重に管理されている。密漁被害の大きい小樽市漁業協同組合は「海産資源を奪われるのは、畑の作物を盗まれるのと同じ。ナマコの繁殖は自然のままなので、乱獲による枯渇も心配だ」。1管刑事課は「ナマコ密漁は暴力団の資金源の一つになっているとみられる。関係機関と連携して取り締まりを強化したい」としている

参考 mocosuku woman 2015.01.25

 

【関連する記事】