トランプ氏詐欺疑惑→トランプ大学

ドナルド・トランプ氏が創設したトランプ大学に詐欺疑惑が急浮上している今月初め、ニューヨーク州司法長官が詐欺罪で同大の訴追を決めたためだ被害者は全米で5千人超、被害総額は4千万ドル(約45億円)という。原告団を率いる立場のニューヨーク州は、全米の被害者に原告団に加わるように求めた。トランプ氏の選挙活動にも悪影響を与える可能性が出ている

「3万6千ドル以上払ったのに、教育らしい教育を受けなかった

ニューヨークの交通機関に勤務するゲリー・スミスさんはこう憤る。スミスさんは不動産投資に関心があり、10年ほど前にニューヨークのトランプ大に入学した。トランプ氏が設立した営利目的の同大は、「不動産王が投資指南する」がうたい文句だった

だが、「トランプ氏は講演で、自慢話をしただけ」(スミスさん)同大は2010年にニューヨーク市から「大学の名称はふさわしくない」との指摘を受けて活動自粛に追い込まれ、ニューヨークとカリフォルニア州で集団訴訟を受けた。スミスさんもその原告の1人である

一方、トランプ氏が卒業したのは米国を代表する大学生・大学院生向けの経営学科、ペンシルベニア大学ウォートン校不動産投資が専攻だった娘のイヴァンカさんも同校卒で、12年に同校の「若きリーダー賞」を授与された

今月初め、同校の看板教授2人が地元記者を招待した集中講義で、米国経済の肝をなす不動産市場と金融政策を教えた際のこと。参加していた記者が講義の休憩時間に、教授にこうたずねた。「米大統領選の共和予備選で、トランプ氏は首位を独走していますが、どう評価しますか?」

教授は困った顔をすると、質問した記者のもとから足早に立ち去った。

同校卒の関係者は、「トランプ氏へのコメントを控える暗黙の了解が校内にある」と明かす。実際、卒業生向けのニュースレターにはトランプ氏に関する記述がここ数年全くない

トランプ氏の数々の暴言は、実直な印象の強いウォートン校のブランドにそぐわない。しかも、トランプ氏をめぐる疑惑が影を落としているからだ

トランプ大は「ウォートン校に匹敵する教材を用意する」と生徒を勧誘していた宣伝上手なトランプ氏は、見合う額の寄付をしていないのに、ウォートン校の校舎の名称を「トランプ・ホール」に変えるよう求めていたともいう

トランプ氏は今回の疑惑に対し、「(トランプ大の)ほとんどの学生たちは満足している」と反論している

産経新聞 2016.03.20

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