ダイエットサプリ→販売のウソ

オイッスゥ! 忘年会に新年会と、飲んだり食べたりする機会が増えますね。それと共に体重も増えますね!

そしてそういった飲み会に必ず一人はいる「このサプリ飲んでおけばOKだから」と豪語する御仁……。この“カロリーなかったことになるから”的なサプリを熱心に飲んでいる人、いませんかね?

本当に、そんな都合の良いサプリは存在するのでしょうか? メラメラ燃焼パワーで痩せるんでしょうか?

 

サプリメントという言葉は日本では「健康補助食品」を指し示す言葉です。「何を当たり前な」と言うなかれ、健康補助「食品」であって、あくまでクスリではないので、薬効などは存在しないのと同じ。むしろ、薬効を一言でも謳ったりすると、即、薬事法違反や不当表示防止法に抵触するただの食品なのです。

「いやいやそんなことはない、クスリのような形してるし、CMなどの広告では、痩せるとか目がよく見えるようになるとか言ってるじゃない」と思う人もいるかもしれません。でも、残念ながらこれらは錯覚です。必ず映像なり、紙面のどこかに「個人の感想です」と表記されており、それらの宣伝文句は商品の効果を説明したものではない……ということになっています。あくまで食品を売っていながら、薬効を思い起こさせる宣伝をして売るというのが、日本のサプリメント商売というものの実態です。

だいたいダイエットサプリのCMは、10年以上、年がら年中流れているのに、男性の3割、女性の2割が肥満傾向と年々肥満人口は増えています。おかしいですね

そもそも、本当に飲んだだけで痩せる薬や、食べたことを無かったことにする薬なんてものが存在したら、深刻な肥満治療の最前線で大活躍しているはず。でも残念ながら、現在国内販売されているダイエットサプリメントはどれ一つ肥満治療に使われていません

そ ん な ば か な

と言うなかれ、ひとつずつ解説していきましょう。

まずは最も胡散臭いのから。飲むだけでおなかの調子を整え、どんだけ食べてもこれさえ飲んでおけば太らない……というようなイメージ戦略で、マメやらコーヒーやら、チベットの山奥の植物やら、さまざまなものがお茶として売られています。

確かにお茶の中には消化吸収をよくする漢方的な働きをするものも少なくないですし、実際に、烏龍茶に含まれるウーロン茶重合ポリフェノール(OTPP)は、脂肪吸収に必要なリパーゼ活性の阻害剤として機能するらしく、便中の脂肪の割合が最大で約6%増えることが医学会でも知られています。これが「トクホ(特定保健用食品)」の由来らしく、そうした要素が脂肪の吸収を抑えるという薬効的謳い文句をしても大丈夫になるわけです。

ただ、普通に安売りされているようなウーロン茶にも十分なウーロン茶重合ポリフェノールは含まれており、トクホのものじゃなくても、十分

トクホウーロン茶を爆押しするサントリーは、2012年3月に消費者庁からキャッチコピーの改善要求という形でお叱りを受けていたりします

さて、ウーロン茶にダイエット効果があるかはともかく、少量の脂肪吸収抑制効果があるのは事実ですが、だからといって油まみれの食事をしてもよいということではないところが大事な点です。しかし、トクホウーロン茶はまだマシな方で、それ以外のダイエット系お茶はなんの実験も根拠も科学的に効果が認められているものは売られていません

すべて医学的な見地からのエビデンスが無いわけです。

要するに、販売会社が適当なことを言っていようが、その効能が本当だろうが、信用に値する情報としてどれも提示されていないということです。

「いやいやそんなことはない、◯×学会で発表とか言ってるし!」という反論もありましょう。ただ、学会で発表されただけで、正式に認可が下りたわけではないですし、そもそも論文は「論じるための文」で論文ですから、論文があるから信頼に値するというわけではないのです

しかも、その論文とやらさえも、裏をとればサプリ会社が別名義で作った怪しいでっちあげ学会であることも大半です。

またどこかのエラい大学の先生が出てきても、あくまで協賛しているだけ。貧しい研究費を補うべく、バイトをしている場合が大半です。実際に、その先生が出した論文を精査していくと、大半は「微妙」となっていて、劇的な効果が認められているものは見たことがありません
●余分な油を消化させない!? キトサン系
ここまで読んで「お茶でダイエットできないのは、なんか分かる気も……」という人もいるかもしれません。でも、テレビCMなどで、油に魔法の粉を注ぎ込めばあっという間にカチカチの塊になってしまうという様子を見せられると、これは油物が大好きな私に天恵! とばかりになってしまう人も多いかもしれません。

さて、それらの油を固めてしまう魔法の粉の正体は、キチンキトサンといいます。動物性食物繊維でありながら、産業廃棄物だったカニの殻をバイオマス原料として研究して生み出された成分です。食物繊維なので便秘を改善する働きがあります。また食品添加物としてテクスチャ改善などに幅広く使われている便利な素材です。
さて、このキトサンに脂肪吸収を邪魔する効果があるのか……ということに関しては、はっきりとNOという結論が出ています
というかそんな研究報告を見るまでも無く、CMでやっている油が固まる実験の続きをやればいいのです。要するに油を吸って固まったものに、お腹の中で出る胃酸と似たような成分の塩酸をかけ、膵液と同じアルカリ条件にしてあげればよいのです。結論としては、胃酸で速効キトサンは油を手放し、油がみるみる浮いてきます。しかも実際にキトサンに油を吸わせるのはなかなか困難で、CMのような状態にはなかなかならないのです。むりやり練り続けてようやく油と塊ダンゴのようになりますが、胃液と同じ濃度の塩酸を入れるだけでサラッと分解、元の木阿弥です(笑)。
ちなみに本当の油吸収阻害剤という薬剤は存在します。
現在はまだ日本では認可されていませんが、アメリカではゼニカルという名前(日本では武田製薬がセチリスタットという名前で販売予定)で、病院で処方されています。
ガッツリとしたリパーゼ阻害剤で、油の吸収自体をバンバン阻害し、最大2割の油を未消化で外に出します。しかしこれがくせ者で、要するにひどい油性の下痢を起こすわけですまた放屁のときにも油が漏れだし、生理用ナプキンでもつけていなければ日常生活に支障をきたしまくるという、なかなか極悪なクスリです油を未消化で外に出すとは、そういうことなのですね

そしてこのクスリだけで、食生活を変えずにどれだけ痩せるかというと……1年間にたったの1〜2キロという報告があります。常におなかが張り続け、おならと共に悪臭のする油をぶちまけるような生活を1年続けて1〜2キロしか痩せない……これが医薬用ダイエット薬の限界で、それすらも及ばないのがサプリメントですキトサンは便秘解消程度のモノなので、高い金を出して買う必要はないでしょう
●メラメラパワーで燃焼力! ってホント!?
燃焼力アップ……という謳い文句で売られるのが、ショウガやトウガラシを使ったサプリ。確かに基礎代謝をアップさせれば、消費カロリーは膨大になります。実際に筋肉質の人の消費カロリーは高く、それ故に、体温も高く薄着で平気なのです。

ではモノグサおばさんがトウガラシを飲んだだけで、基礎代謝が上がるのでしょうか。当然ですが、上がりません。

トウガラシのカプサイシンやショウガの成分で基礎代謝の値が変化するほどの体温変化は、どんな実験でも確認されていません。故に売る方もごまかし通すしかなく、ひどい商品では、サーモグラフィー映像の下に「画像はイメージです」などというものもありますので、ご確認を。

そもそもカロリーとはエネルギー、エネルギーの大半は熱として消費されます。そして人間の65%は水分です。60キロの人間なら45キロの水を保温し続けるわけですから、それにかかるエネルギーは、わりと膨大なのです。風邪をひくと一気にやつれるのは、体温が1〜2度高い状態で維持されるので、それだけのエネルギー源として脂肪を使ったからです。当然、風邪をひいてダイエットなんて不健康なのは体に害悪しかないので、それ以外で基礎代謝を上げるには……運動しかありません。

太りたくなければ 食うな 動け。

それでも体温を上げて基礎代謝を上げたいのなら、危険なクスリしかありません。違法なご禁制薬・覚醒剤はもとより、ジニトロフェノールという体温を暴走させる毒や、暗殺されたリトビネンコに盛られたポロニウム210という超毒などがありますが……えー論外ですね(苦笑)。

さて、いろいろ理詰めでダイエットサプリを否定してきましたが、自分のような怪しい俗物が言ったところで、「怪しいもんです、信じられないわ! この腐れ狐面!」と、おっしゃる猜疑心の塊であるアナタは、是非ともサプリメントメーカーの登記簿を取ってみることをオススメします。

登記簿にはその会社の遍歴、業務内容、代表者、設立年月日諸々の情報が書かれています。

WEBやCMで大声で宣伝している内容と、登記簿内容を照らし合わせてみると……大女優が“もう長年愛用している”はずのサプリメントの発売日が半年前だったり、発売前から結果が出ている人がいたり、創業100年ののれんが借り物だったり、そもそも登記簿が無かったり……(つまり会社ですらない)。

まさにダイエットサプリの舞台を裏側から見ることができます。

世の中都合の良いことだけ信じたい気持ちも分かりますが、それで財布からお金を抜かれていては、賢く生きてるとは言い難い気がします。

嘘八百を並べる奴の言うことを「これはいい」と信じるか・信じないか。それは貴方次第ってことで

参考Business Journal 2013.01.02

 

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