スリランカ→日本から巡視艇

28日に名古屋で開かれた安倍晋三首相とスリランカのシリセナ大統領による首脳会談で、日本側は巡視艇2隻や総額380億円の円借款の供与を表明した。シリセナ大統領は昨年1月の就任以来、前政権の親中国路線から全方位外交に転換。日本との関係強化もこの一環だ。ただ、経済面では中国との関係維持も欠かせず、バランス外交に余念がない

「主要7カ国(G7)拡大会合にて」。シリセナ氏は27日、自身のツイッターにこう投稿し、安倍首相やオバマ米大統領、メルケル独首相らと歓談する映像を掲載。国際的に孤立していたラジャパクサ前政権との違いを印象づけた

スリランカはインド洋の海上交通路(シーレーン)の要衝で親中路線の前政権下では、中国がインドを取り囲むように港湾を整備する「真珠の首飾り」作戦の拠点となった

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シリセナ政権が全方位外交を進めるのは中国依存への危機感があるからだ。2014年には中国の潜水艦が寄港しインドの反発を招いた。国内では、中国の巨額の融資が「汚職の温床となった」と批判を呼んだ

前政権下では中国の属国となり孤立したが新政権は非同盟外交を進めているスリランカを中国に軍事的に利用させることはない」。政権幹部は昨年12月、毎日新聞の取材にこう語った。実際、シリセナ氏は既にインドのモディ首相と6回会談するなど関係改善に努めている

ただ、中国との良好な関係も経済発展には欠かせない新政権は中国が投資する最大都市コロンボの港湾都市計画を凍結したが、再始動させることを決定。今年4月、ウィクラマシンハ首相が訪中し「港湾都市はインド洋の金融拠点になる」と述べ、計画を推進する考えを強調した

スリランカのジャーナリスト、スリ・アナンダ・ウェダラッチ氏は新政権は日本だけでなく、中国を含むあらゆる国との良好な関係を目指すだろう」と指摘政権幹部も「小国なのでいずれか一方の立場につくことはない」と話す。

毎日新聞2016.05.29

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