スマートフォン→ドウ・ケルバン病も

総務省が発表した「「平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、2014年の時点で国内のスマートフォンの利用率は6割を超え、特に20~30代では8~9割の人がスマートフォンを使っていることがわかりました。また、スマートフォンの平日1日当たりの平均利用時間は73.0分。20代は91.1分で、10代になると117.4分もの時間をスマートフォン操作に費やしているのです。

さて、そんな状況を象徴するかのように、最近になって患者が増えている病気がありますスマートフォンを使いすぎたことによって手首に異常をきたす「ドゥ・ケルバン病」です。いったいどのような病気なのでしょうか?

「ドゥ・ケルバン病」とは

みなさんはスマートフォンを操作するとき、片手で操作していますか? それとも両手を使っていますか? 片手操作の場合、必然的に親指を多用することになりますが親指に過剰に負荷がかかると、手首に痛みと腫れを生じる「ドゥ・ケルバン病」になる恐れがあります

ドゥ・ケルバン病は腱鞘炎(けんしょうえん)の一種で、スイスの外科医であるフリッツ・ドゥ・ケルバンによって報告されました。日本では「狭窄性腱鞘炎(きょうさくせいけんしょうえん)」という病名がついています。ドゥ・ケルバン病にかかると、次のような症状が見られます。親指の付け根から手首にかけての痛みが特徴です

・親指を広げたり動かしたりすると手首に激痛が走る
・親指をうまく動かせない
・親指や手首が腫れる

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●あなたは大丈夫? 「ドゥ・ケルバン病」をチェック!
スマートフォンをよく使っていても、自分がドゥ・ケルバン病かどうかわからないという人もいるでしょう。「フィンケルシュタインテスト」と呼ばれる簡単なチェック法があります。

1:親指をてのひらの中にいれてこぶしをつくる
2:手関節(手首)を尺骨側(肘の外側)に曲げる

このとき、手首や指に痛みを感じることがあれば、ドゥ・ケルバン病の可能性があります。

■「ドゥ・ケルバン病」の原因と治療法とは

ドゥ・ケルバン病では、指などの末端部分を動かす「腱」と、その周りを囲む組織である「腱鞘」が炎症を起こすことで、痛みが生じ、動きがスムーズにいかなくなります

親指を長時間張っている状態にしていることが多いと、親指から手首につながる腱に負担がかかりすぎることによって発症します。スマートフォンを片手の親指で長時間操作する人は、筋肉の使い方に偏りが生じ、腱や腱鞘に負担がかかりやすくなるため、ドゥ・ケルバン病になってしまいやすいのです。スマートフォンの使用以外では、育児中で乳児を頻繁に抱っこしている人や、パソコンやピアノで手指をよく使う人に見られます

症状が見られる場合は、基本的には安静にして手指を使わないようにするといいでしょう。症状が軽い場合は湿布や消炎鎮痛薬を使って治すこともできますが、症状が重くなると整形外科を受診して、腱鞘内にステロイド注射を打ってもらう必要があります。また、繰り返し症状が再発するときは、腱鞘を切開し、手術をすることもあるのです。

■「ドゥ・ケルバン病」の予防法とは

ドゥ・ケルバン病は、手指に負担をかけすぎることによって生じる病気です。ドゥ・ケルバン病を予防するためには、手指を長時間の同じ状態でキープしないよう、適度に休憩を入れたり、反対側の手指を使ったりするなど工夫をすることが大切です。30分に1度は休憩をいれて、腕を振ったり手を握って開いてを繰り返したりして、腱の緊張や張りをほぐすようにしましょう

また、やむを得ず長時間負担をかける場合は、サポーターやテーピングなどをして固定しておくことで、手指の負担を軽減することができます

参考 Mocosuku編集部 2015.10.17

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