スマホ買い取り後何がおこなわれているか?

 スマートフォンの普及に伴い、以前使っていた端末を売り、中古端末を安く購入するというスタイルが、広まりつつある

【専用ソフトを使ってデータを完全消去】

使い古したスマートフォンを机の中に眠らせているという人も多いだろ。機種変更をしてお役御免になったスマホを中古ショップで買い取ってもらえば、新しいスマホを購入する軍資金になる

ただ、自分のスマホを売る際に、「個人情報が漏えいしないのか」という点は気になるところ。ユーザーがリセットをかけても、専用のツールを使えば個人情報を復元することもできるからだ。また、中古端末を購入するにしても、品質は問題ないのか、ちゃんと使えるのか、もし不具合があったら……などと不安に感じる人もいるだろう。

フィーチャーフォンの頃から中古携帯市場に参入し、累計200万台の中古端末を取り扱っているゲオは、中古端末の個人情報と品質管理を、どのように行っているのだろうか? 愛知県岩倉市にあるゲオの流通センターを訪れ、ゲオ 購買流通部 商品流通課 岩倉加工センター ユニットリーダーの栗真善朗氏と、ゲオ モバイル運営部 モバイル企画課の眞鍋将司氏にお話を聞いた

●端末に異常がないかを目視でチェック

ゲオが中古品として販売する端末は、必ず同社流通センターを経由して出荷される。流通センターは、愛知県、北海道、群馬県、福岡県の4箇所にあり、愛知県(岩倉市)のセンターが最も大きな拠点となる。この流通センターでは、中古端末を販売できるよう“加工”する。では具体的に何をしているのか? 順を追って見ていこう

流通センターに運ばれてきた携帯電話は、まずは正常品かどうか(外装や操作に問題がないか)を検査する。買い取った店舗でも、専用のアプリを入れて、カメラやセンサーなどのハードウェアに不具合がないかを確認するが、流通センターでは作業員が目視で、水没していないか、液晶に傷がないか、バッテリーパックが膨らんでいないか、ボタンが正常に動作するか、などを確認するおサイフケータイに対応した機種については、FeliCaが正常に動作するか、チャージした電子マネーが残っていないかをリーダーライターで確認する。栗真氏によると、これらの作業はスタッフ1人あたりで1時間で5台ほど、1日大体35~40台を確認するそうだ

ここまで念入りに検品をするのは「お店では携帯電話以外にも多くの商材を扱っているので、店舗のスタッフが1台ずつチェックするのは難しい。それを補完するツール(先述したアプリ)を導入していますが、それも万能ではないんです」と栗真氏は話す。例えば「メモリカード、SIMカードが残っていないか」「個人情報書類の有無」などは、人の目を介さないと確認できない

この最初の関門で「異常あり」と判定された端末は「大手企業のPCも担当している業者に依頼」(眞鍋氏)して、廃棄処分される店頭の専用アプリでは振るいにかけられるのは約4割ほどさらに流通センターでは1割ほどの端末が振るいにかけられるという

●「赤ロム」かどうかも3回チェックする

ゲオでは、割賦での支払いが完了していない端末も買い取っている。残債が支払われなくなったり不正利用が発覚したりすると、販売元の通信キャリアからネットワークの利用制限がかかり、データ通信や通話ができなくなってしまう。ゲオでは、ネットワーク利用制限中どうかは買い取り時、加工時、販売時の3回にわたって確認する

ユーザーが中古端末を購入してからネットワーク制限がかかってしまうと、同一機種の交換か、返金をする。ゲオではこういった「赤ロム」と呼ばれる中古品に対して「永久保証」をうたっているからだ。もちろん、販売時にネットワーク制限がかかる可能性があることは、店頭で明示するほか、スタッフが直接確認、案内をするようにしている。

専用ソフトを使ってデータを完全消去する

正常品かどうかの確認が終わったら、次はデータの消去だ。「端末でリセットするだけだと復元できてしまうことがある」(栗真氏)ため、専用ソフトをインストールしたPCとスマートフォンを接続し、元のデータを復元できないようにする具体的には「意味のない乱数字を書き込んで、復元しても本来の情報が読み取れないようにする」(栗真氏)そうで、仮にデータを抜き出せても乱数字が出てくるだけだ

データを消去するソフトはブランコとサードウェーブの2社のものを導入している。サードウェーブ製ソフトはフィーチャーフォン、Android、iOSいずれにも対応しているが、一度に接続できるのは4台まで。「古いソフトで処理速度にも時間がかかるので、最近はほぼガラケー(フィーチャーフォン)にしか使っていません」と栗真氏。一方、ブランコ製ソフトはAndroidとiOSにしか対応していないが、「同時に20台ほど接続できる」(眞鍋氏)という優れものだ

栗真氏によると、データの消去は1機種あたり10~15分ほどかかるそうだが、消去する時間は端末自体の性能や容量が影響するとのことストレージの容量が大きく、CPUの世代が古い機種ほど時間がかかるという。岩倉では、1日大体400台ほどのデータを消去しているそうだ。なお、中古品として販売できないジャンク品も、「動くものについてはデータを消去している」(栗真氏)とのこと

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●iOSデバイスのアクティベートも実施

データの消去が終わったら、iOSデバイスのみ、もう1工程を行う。それが「アクティベート」だ。初期状態のiPhoneを起動すると「こんにちは」という画面が現れ、その後、Apple IDの入力やWi-Fiのアクセスポイントの選択などをしていく。これがアクティベートと呼ばれる作業だ。やっかいなことに、iPhoneは、Wi-Fiに接続していても、SIMカードを挿入していないとアクティベートができない。例えば中古のiPhoneをWi-Fiのみで使おうとしても、最初だけSIMカードが必要になるのだ。

そこでゲオでは、中古品で販売するiPhoneのアクティベートを代行しており、中古iPhoneを購入して起動すると、すぐにホーム画面が表示されるようにしている。

アクティベートに使うSIMカードは解約済みのものでも構わないが、SIMロックの掛かったiPhoneは、既存キャリアのSIM(ドコモのSIMロック付きiPhoneならドコモのSIM)を入れる必要がある。例えば外国人観光客がドコモの中古iPhoneを購入し、自国のSIMを入れても、アクティベートができない……といったことが起こりうる。そうした外国人をはじめ、「Wi-Fiで使いたい、設定が分からないといったお客さんの声が多かった」(眞鍋氏)ため、全店舗でアクティベート済みのiPhoneを販売している

なお、iPadはSIMカードがなくてもWi-Fi経由でアクティベートはできるが、iPadもアクティベートを済ませた状態で販売する。

アクティベートも手作業で、「最大4人に担当してもらうこともある」(栗真氏)ので、相応のコストが発生する。それでも「お客さまから非常に好評だった」(眞鍋氏)ため、ユーザーメリットを第一に考え継続している。

●「クリーニング」を経て加工は終了

最後のステップが「クリーニング」だ手アカや指紋などの油汚れをエタノールやアルコールでキレイにする、シールがあったら剥がす、といった外装のメンテナンスを行う

このクリーニングを経て、ようやく加工が終了する。加工済みの端末はダンボールにまとめ、ゲオの各店舗に出荷される。

まとめると、端末を買い取る前に「店舗でアプリを使って不具合の有無をチェック」→買い取った後は「日本全国4箇所の流通センターに配送」→センターでは「正常品かをチェック」→「データを完全消去」→「iOSデバイスはアクティベート」→「外装をクリーニング」という工程を経る。

●「購入」も「買い取り依頼」も安心できる

こうして見ると、買い取った中古端末は、外側(外装、ハードウェア)と内側(ソフトウェア)から、徹底的に検品されていることが分かる。赤ロムの永久保証もあるので、中古とはいえ、安心して購入ができるのではないだろうか。

買い取りについても、第三者にデータが復元される心配がないほか、「間口の広さ」も魅力だ。ゲオでは破損、または動かないジャンク品も100円から買い取っており、端末を修復して販売するか、廃棄処分に出している。「古い端末をゴミ箱に捨てると、情報が漏えいする恐れがあるので、どんな状態の端末でも持ってきてほしい」と栗真氏は呼びかける

ユーザーに最低でも100円を支払い、個人情報を消去、さらに廃棄処分も代行する」と考えると、ゲオにとっては損しかないように思えるが、「自分の眠っている端末がお金になるかが分からない人もいらっしゃるので、ジャンク品をきっかけにして良品も持ってきてほしい」(栗真氏)と、今後の買い取り依頼促進につながると考える

店舗で買い取りの相談は気軽に行えるし、中古端末の実機に触れることもできる。まずは近くのゲオ店舗を気軽に訪れてみてはいかがだろうか。

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ITmedia Mobile2016.04.04

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