コンビニ戦争の行く末

行き着く先の見えない闘い-コンビニ業界を取り巻く環境はそんな様相を呈しているそのコンビニ業界で大型の買収・提携が相次いでいる主導するのは現在第3位のファミリーマート09年に当時6位のエーエム・ ピーエム・ジャパン(当時約1120店舗)、昨年8月にCoco!(約650店舗)を展開するココストアを買収したあと、今年2月には同4位のサークルKサンクス(約6300店舗)を傘下に持つユニーグループHDと経営統合で合意した

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そして、今年9月に持株会社「ユニー・ファミリーマートホールディングス」を設立予定、18年度をメドにブランドを「ファミリーマート」に一本化するこれで国内店舗数は1.8万強となり、現在は僅差で2位のローソン(約1.3万店)を一気に抜き、首位のセブン-イレブンと肩を並べる計画だ

エーエム・ ピーエムの買収でファミリーマートに出し抜かれたローソンも黙っていない14年12月に中国・四国地方が地盤のポプラ(約520店舗)と資本・業務提携したあと、4月13日には首都圏のスリーエフ(約560店舗)との資本・業務提携を発表し、1.3万店強になった

■ファミマに抜かれたローソンも積極攻勢

このような大型の買収・提携の狙いはもちろん収益拡大にあるが、うがった見方をすれば人口減少・高齢化で縮みゆく国内市場での生き残りを賭けた「椅子取りゲーム」といえよう

コンビニ店舗数が日本全国で約5.6万、東京都で約7400もある現在、店の商圏は当初の半径2kmから500m程度に狭まったといわれ、立地面でほぼ飽和状態にある。したがって業容拡大には買収・提携が一番手っ取り早い利益面でも、店舗数が増えれば大量購入による仕入れ価格の引き下げや、配送効率が上がるなどのスケールメリットがある

いうまでもなく、各社は買収・提携以外にも売り上げ拡大に努めている。商品の拡充、サービス機能の拡大、新店舗形態への展開などだ。商品の拡充では、パン、菓子、弁当などの独自商品の開発はもとより、おでん、淹れ立てコーヒー、チキンフライ、ドーナッツなど次々と新商品を投入してきた今後は牛丼やハンバーガー、スープなどへの「浸食」も十分考えられ、関連業界は戦々恐々としている

■生き残りを賭けた大手グループ傘下入りが加速?

サービス面では、ATM設置、公共料金等各種料金の代理受領、食事の場を提供するイートイン、宅配などに参入。そして店舗形態としては、「駅ナカ」への進出を狙う一方、自然食品やクスリを販売するナチュラルローソン、介護サービス事業者と連携して要介護者や高齢者に的を絞った介護ローソン、ファミリーマートのドラッグストア一体型店舗、ミニストップの「働く女性」をメインターゲットに品ぞろえを充実させたcisca(シスカ)など、各社が新型店舗を展開している

このように、コンビニは単なる小売店から現代の「よろずや」、よく言えば地域の生活インフラに進化し、それがこれまでの収益拡大をけん引してきた。しかし、今後30年で人口が2割も減る国内市場では収益を維持することさえ難しくなっていく

したがって今後も業界再編は進むだろう。当面のターゲットは店舗数で「3強」に大きく水を開けられる4位以下の中堅チェーンになりそうだ。株主やオーナーの意向で実現しそうもないケースもあるが、スケールメリットや商品・サービス開発面で大手に太刀打ちできなければ収益環境は今後ますます厳しくなる。身売りまでいかずとも大手グループ傘下入りを余儀なくされるチェーンが増えるだろう

■業界再編は今後も進み、2強に集約?

コンビニ売上高は14年度に初めて10兆円に乗せたが、ファミリーマートとの統合を決めたサークルKサンクスも含めると、3強がその85%を占める寡占業種だ。9月にそのユニー・ファミリーマートHDの社長に就任予定のファミリーマートの上田会長はコンビニが2強に集約されるとみている。

仮にそうなれば、これまで買収・提携に目もくれず独自成長路線を歩んできたセブン-イレブンのカリスマ経営者、鈴木敏文氏の突然の辞任を境に、いよいよ動くのか。また、ファミリーマートは買収先を自社ブランドに塗り替える「ワンブランド」戦略をとってきたが、今後もそれを貫けるか。さらに今後の競争・再編が消耗戦になるのか、あるいは業界全体の成長が続くのか。コンビニ戦争の行方に興味は尽きない。(シニアアナリスト 上杉光)

ZUU online2016.04.17

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