コンビニの意外な利用法

あらゆる商品やサービスにおいて、世の中には「想定外の使い方」をする人がいる。例えば、100円均一で売っているスノコを組み合わせて本棚を作る人がいる。店員にとっては意外な使い方だったろう。

【トイレの電源を使用する人も】

コンビニも例外ではない。今回は、筆者の経験談も交えながら、コンビニの意外な利用方法を紹介しよう。

コンビニが冷蔵庫代わり

コンビニが多く立ち並ぶ現在、あなたの自宅の周辺にも1軒はあるだろう。中には、アパートやマンションの1階にテナントとして入っているコンビニもある。近くの住人にとって、そういうコンビニは今や“冷蔵庫代わり”となっている

例えば、「冷たいジュースが飲みたいな」と思ったらコンビニへ。お腹がすいても弁当やデザートがすぐ買える。今や、冷凍食品から野菜までそろえているコンビニは、まさしく「24時間空いている便利な巨大冷蔵庫」なのだ

また、独り暮らしの人にもコンビニは重宝されている。長い間、コンビニは単身者をターゲットにしてきた。品ぞろえを見て気付いた人もいると思う。コンビニの利点は小パッケージ商品が多いことだ

筆者もかつては長い間独り暮らしをしていた。自炊は正直めんどくさいし、場合によっては外食より高くつくこともある。スーパーでいろいろと材料を買い込んでも、全部使い切れずに結局腐らせてしまったことは何度もあった

キャベツ丸ごと1玉より、2分の1、もしくは4分の1にカットしたモノのほうが売れる店もある。納豆も、スーパーでは3個パックが主流だが、コンビニでは1個のパッケージが欲しいという声があった。

小分けにすると割高にはなるが、その日に使う分だけ購入したいと思う客層は一定数いる。最近は、単身の高齢者に小パッケージの商品がウケているようだ。彼らにとって24時間開いているコンビニは、まさしく冷蔵庫そのものなのだろう

コンビニでゲーム

現在、大手3社をはじめ、多くのコンビニでは無料のWi-Fiサービスを提供している。携帯キャリアの通信には限度があるため、通信量の多い人にとってはありがたいサービスとなっているようだ

「Wi-Fiなんて設置して誰が使うんだよ」。筆者がオーナーだったころ、導入当初はそんな風に思っていた。

ところが、スマートフォンの普及率が上がるにつれ、特定のお客さんが店に長時間滞在するようになった。様子を見ていると、ずっとスマホをいじっている。どうやら、オンラインゲームをしているようだ

なぜ、コンビニでオンラインゲームなのか? 疑問に思った筆者は、高校生の娘に聞いてみた。すると、「Wi-Fiにつなげてるのよ。たぶん、家でWi-Fi使わせてもらえないんだよ」と即答。ゲームをやりすぎないようにと、ネットの暗証番号を変えてつなげないようにしている親は少なくないらしい。どうやら高校生ぐらいの子どもにとって、今やコンビニWi-Fiを利用してのゲームは常識となっているようだ

また、PCそのものを持たなくなった家庭も増えたようだ今はスマホで事足りるから、キャリアの契約だけで十分、わざわざネットの回線を引くまでもないという話も聞く。数年ほど前から、若者のPC離れがささやかれているが、親世代にとってもPCは不要なツールになりつつあるのかもしれない

このように、Wi-Fiの利用法は想定外だったとはいえ、コンビニに長時間滞在する高校生やゲーマーは、遊びながらも飲み物やおやつの1つぐらいは買ってくれる大事なお客さんとなっているのだ

筆者の時代は、放課後は友だちの家に集まってゲームをしていたが、これからは近所のコンビニに集まるのが普通になるのかもしれない

招かれざる客

しかし、いいことばかりではない。先のWi-Fiゲーマーもゲームだけやって帰るならまだしも、スマホのバッテリーがなくなってくるととんでもないことをしでかす

1.トイレ編

お客さんに店のトイレを貸しているところは多い。あなたも、一度は利用したことがあるだろう。

温水洗浄便座付きのトイレが主流となった現在、ほとんどのトイレにはコンセントが設けてあるどうやら、そのコンセントを使ってスマホを充電しているらしい。のぞいたわけでないので断言はできないが、気付くと便座のコンセントが抜けているのだ

実は、スマホが普及する前からこういうことはたびたびあった。恐らく、携帯電話の充電に使っていたのだろう

 厳密に言うと「電気泥棒」なのだが、電気代と言ってもたかがしれている。それ自体は目くじらを立てることでもないが、それより問題なのは、トイレが長時間使用中になるということだ

お客さんも従業員も、トイレを使いたいときに使えないようでは困るので、本来の目的でない使い方で占領するのは止めてもらいたいと切に願う

スマホの充電もしかり、犯罪と呼べるようなことをする人もいる。店の消耗品を持っていくのだ。よくあるのが、トイレットペーパーの盗難。大体どこのトイレにも、予備のトイレットペーパーを置いている。「1個くらいいいだろう」と思うのか、気付くと予備のトイレットペーパーがなくなっているのだ

何店も経営してきた筆者の経験から言わせてもらうと、トイレットペーパーを盗んでいくお客さんが1店に1人は確実にいると言っていい。個室という見えない空間が犯罪の温床となってしまうのか。悪質なお客さんが増えると、コンビニのトイレが利用できなくなる可能性もゼロではない

2.水道編

コンビニは、店の外に水栓を設置している。主に、暑い夏に水をまいたり窓を掃除するのに使っているのだが、実はコンビニの蛇口にはハンドルが付いていない。以前は普通の蛇口だったのだが、「水を持っていく人」があまりにも多くなってしまったため、取り外し可能なハンドルに変わったのだ。

水を持っていく」とは、つまり水泥棒のこと。ずいぶん昔の話だが、クルマで来店したお客さんがいた。様子を見ていると、キャンプで使うような大きなタンクに水を入れていた。小さなペットボトルのようなその場で飲む程度なら見逃したのだが、タンクが何本もクルマに積んであったので、さすがにそれは止めてくれと注意した

また、あるときは、犬の散歩の途中に犬を洗うつわものもいた。汚れたのなら家で洗えばいいのに、そんなに余計な水道代を払いたくないのだろうか。散歩の途中で冷たい水で洗われたのでは、犬もさぞかし迷惑だったことだろう。

●「無料」ではない

電気や水道だけではない。コンビニコーヒーの砂糖やミルクも同様だ

筆者は、かつてレストランの仕事をしたこともあるが、テーブルに設置してある調味料をすべて持っていかれたことがあった。確かに「ご自由にどうぞ」と書いてあるが、これはもちろんサービスの範囲内での話。このように非常識なことをされると、サービス業でありながら、サービスをする気持ちがなえてくる。

コーヒーの砂糖やミルクも、そのコストは代金に含まれている。度を過ぎた持ち出しが世間でまん延すれば、1杯100円のコンビニコーヒーが110円になる可能性も否めない。

タダだからといって常識を越えた行動を繰り返していると、いつかは自分のサイフにツケがまわってくるということに、そろそろ気付いてもらいたい

(川乃もりや)

ITmedia ビジネスオンライン2016.04.12

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