エネルギー向け鋼材生産→3から5割減

高炉メーカーによる2015年度の鋼管・厚板などエネルギー鋼材の生産販売量が、前年比で3~5割の減少になりそうだ特に低迷が目立つのがUO大径鋼管で、今下期の生産販売量は1年前に比べてほぼ半減ピーク時に比べて約4分の1のレベルに落ち込む公算が大きい原油価格下落で、パイプラインプロジェクトの延期・後ずれが起きていることによる。数量面の落ち込みに加え、ここにきて強まっているのが価格面での下押し圧力OCTG(油井管)分野では、テナリスなど海外鋼管メーカーの安値売りが目立つ

ラインパイプ用原板や海洋構造物などエネルギー分野向け厚板の生産販売量も、前年に比べて落ち込みが大きい。日本の高炉メーカーは、海外の鋼管メーカー向けに大径鋼管の原板(母材)となる耐サワー材など高級厚板を拡販するシナリオを描いているが、当面は「辛抱せざるを得ない」(関係筋)という
エネルギー鋼材のビジネスは、一般的には「狩猟型」の性格が色濃い。とはいえ、高炉メーカーの中では、石油メジャー向けなどに長期供給契約を結んでいるケースがあり、そうしたヒモ付き的な部分での落ち込み幅は相対的に小幅にとどまるBPなど石油メジャー向けに長期契約を抱える新日鉄住金は、上期のシームレス鋼管出荷量を43万トン(伯VSB社を含む。14年度実績は118万トン)と見込んでいる。
エネルギー鋼材の回復時期について見方は分かれる。「数年間は回復が期待できない」との声もある一方で、高炉大手の中には「16年度上期までは期待できないが、16年度下期には需要回復の兆しが出始め、17年度後半にかけて回復してくる」との期待感も出ている
活動水準回復のカギを握るのは原油価格経済制裁解除後にイランからの供給が始まると、需給面からは上がりにくい。ただシェールガス油田の生産は、足元ではヘッジ売りの効果もあってあまり減少していないものの、先々は減ってくるとの見方も根強く、不透明な情勢だ
米国リグカウント(掘削設備の基数)は6月を底に少しずつ回復基調にある足元は微増減の動きにあり、870~880基レベルで推移。下げ止まったことはOCTG需要にとってポジティブな要因となっている

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