ウクライナ経済破綻→日本頼み

ウクライナのポロシェンコ大統領は、同国と日本がロシアに自国領を不法占拠された共通の立場にあることを念頭に、対露政策での連携を訴えたしかし、ウクライナ経済は破綻同然で、東部での親露派武装勢力との紛争も和平定着にほど遠い。7日で大統領就任から丸1年を迎えるポロシェンコ氏の政権基盤は盤石とはいえず、国の行方はいぜん予断を許さない状況だ

ポロシェンコ氏は6日、安倍晋三首相との会談で、ロシアによるウクライナ南部クリミア半島の併合を認めない「日本の確たる立場」に謝意を表明日本とウクライナの「共通の隣国」が、ウクライナにとってのクリミアや東部の問題、日本にとっての北方領土問題を生じさせたとの認識を示した

「領土」という接点で日本との関係緊密化を図る背景には、経済危機からの脱却を図る上で日本の支援が欠かせない事情がある日本はウクライナ危機の深まった昨年3月以降、国別で最大の計18億4千万ドル(約2310億円)規模の支援を打ち出し、実行中だ

ただ、ウクライナ経済はデフォルトが現実味を帯びるまでに悪化している。非効率な経済構造や腐敗といった慢性的問題に加え、紛争で東部の産業基盤が失われた影響が大きい

今年1月の国と民間の対外債務が1260億ドル(約15兆8230億円)だったのに対し、2月の外貨準備はわずか56億ドル。国内総生産(GDP)は2014年の前年比6・8%減に続き、15年も同7・5%減の見通しだ。自国通貨の暴落などにより、この1年間のインフレ率は60%、ドル換算の平均所得は50%減となった

東部の紛争をめぐっては2月に新和平合意が発効したが、ここにきて戦闘は再び激化の兆しを見せる。地方分権のための改憲や親露派支配地域の地位に関する立法など、同合意の政治条項の履行も手付かずだ。汚職対策や治安機関の改革といった公約も成果に乏しく、有力機関の世論調査では約半分が大統領の職務遂行に「不満」と回答した

参考 産経新聞 2015.06.07

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