インドネシアが航空機市場参入

インドネシアは自国技術で航空機を開発・生産し、初の事業化を目指して旅客需要の拡大が見込まれるアジア市場に参入する

売り込むのはインドネシアの国営航空機メーカー、ディルガンタラ・インドネシア(PTDI)の19人乗り新型小型プロペラ機で名称は「N219」開発に5年超をかけ、費用は4億ドル。6月に試験飛行を行い、2018年から納入を開始する予定だ

アジアでは韓国の航空機メーカー、韓国航空宇宙産業(KAI)が座席数100席インドのヒンドゥスタン・エアロノーティクズ・リミティド(HAL)とナショナル・エアロスペース・ラボラトリーズ(NAL)が70─90席程度の航空機開発をそれぞれ検討している

競争が激しい業界でほぼ新参者であるこれらの政府系メーカーは、小型で効率の良い短距離向け旅客機の需要拡大に期待を寄せている

各社の旅客機は、座席数が150─190席程度のエアバスの「A320」やボーイングの「737」よりも小型

主に地域間輸送を担う100席程度の中小型機はリージョナルジェットと呼ばれブラジルのエンブラエル<EMBR3.SA>カナダのボンバルディア<BBDb.TO>が市場の大部分を占めている。PTDIは、リージョナルジェットに取って替わるコスト効率の高い小型機として売り込むことになる

航空機の利用は増加しているが、一部のアジア地域や中南米、アフリカなどではインフラ整備が追い付いていない小さな空港には、「A320」や「737」などが利用できる十分な長さの滑走路が整備されていないことが多く、こうした地域での需要を取り込むことを目指している

PTDIによると、国内の小規模航空会社から既に150機の受注が確定しており、今後は、座席数が50の旅客機の開発も検討しているという

<中国と日本から得る教訓>

商用機を自国で開発することはその国の経済にとって画期的なことだ。ただ、設計から自国で手掛けるのにはコストがかかり、投資リターンが確保できない可能性もあり、リスクの高い賭けとなるそれは中国と日本の例をみても明らかだ

中国国有の中国航空工業集団(AVIC)が開発したリージョナルジェット「MA60」はトラブル続きで、これまでにも大きな事故を11件も起こしている。25人が死亡する事故もあった。

ニュージーランド政府は2013年8月、安全性への懸念を理由にトンガ航空が運航する「MA60」を利用しないよう旅行客に通達した。

中国商用飛機有限公司(COMAC)が開発したリージョナルジェット「RJ─21」は7年の試験飛行を経ても、米当局による認定が取得できていない

三菱重工のリージョナルジェット「MRJ」も最初の試験飛行が当初スケジュールよりも3年遅い2015年11月に行われた。最初の納期は4年以上後ずれし、2018年半ばに予定されている

エンブラエルはその間、リージョナルジェットの改良型を発表受注残は513機に達した一方、MRJの受注は233機にとどまっている

アナリストらは、航空機市場に新規参入するなら、国有企業に開発を任せ、全てを国内で調達しようとした中国の経験から学ぶべき、という。航空機産業の大規模で入り組んだサプライチェーンを熟知し、当局による厳格な認定を取得し、アフターサービス事業のネットワークを確立する必要があることも認識すべき、と指摘する

(Siva Govindasamy 記者、 翻訳:伊藤恭子 編集:加藤京子)

ロイター2016.03.30

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