インドネシア、発電用石炭確保に懸念

インドネシアは発電用の石炭の確保に懸念が生じている同国は2019年までに発電容量3500万キロワットという野心的な目標を掲げており、24年には電源の66%を自国産の石炭でまかなうとしている。しかし、石炭の市場価格の低迷で国内の石炭産出の採算が悪化し、このままでは輸出国から輸入国に転じる可能性が出てきた。現地紙ジャカルタ・ポストなどが報じた。

同国政府は、14年にエネルギー・鉱物資源省が試算した石炭の国内埋蔵量323億トンという数値を基に電源構成比を算出した。しかし、インドネシア石炭協会と英会計大手プライスウォーターハウスクーパース(PwC)は、現在の市場価格の水準では採算が確保できる埋蔵量は73億~83億トンだと指摘する

世界の石炭価格は最大消費国の中国の需要減が要因で、ここ数年は下落傾向が続いている。インドネシア産石炭の平均価格も12年の前半までは1トン当たり100ドル(約1万1100円)台で推移していたものの、今年2月には同50ドルまで下落した。

こうした状況を受け、PwCのインドネシア担当者は、現状でインドネシアの石炭会社は採算性が悪化しており、生産量も減少していると分析。石炭価格の低迷が続けば政府計画の実現は困難だとの見解を示した

 インドネシア石炭協会の幹部も「1トンの産出にコストが60ドルを要する。石炭価格が1トン当たり50ドルまで下落すれば、いくら埋蔵量があっても掘る者はいない」とした上で、現在の価格水準では33~36年までに採算が確保できる埋蔵量を掘り尽くしてしまうと指摘早ければ30年にも輸入が必要な状況が到来すると予想した

PwCと同協会がインドネシア国内の石炭25社を対象に実施した調査によると、各社合計の税引き前利益は11年から14年の間に60%減少し、15年も16%減少したとみられている。業績悪化を受けて各社の設備投資の合計額も12年から15年の間に79%縮小した。今年も10~20%の縮小となる見通しで、新たな鉱脈の開発がストップする恐れも浮上している。(シンガポール支局)

SankeiBiz 2016.03.22

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