アルツハイマー病を克服→クロトーが効果

米国のケンタッキー大学の修道女研究はアルツハイマー病解明に協力した678人のシスターたちの半世紀を追跡、その老いと向き合い6割のシスターの死を看取ってきた記録が、研究を主催したデイヴィッド・スノウドン教授の著書『100歳の美しい脳』に詳細に記載されている

その中でも印象的な修道女が101歳で亡くなったシスター・メアリーのケースだ。メアリーは死ぬ直前まで認知機能が正常で認知症のスクリーニングに使用される認知機能テスト(MMSE)で27点(正常範囲)を獲得していた

ところが死後の病理解剖では典型的なアルツハイマー病で脳も萎縮していた。シスター・メアリーは19歳から84歳まで現役の数学教師で若い頃から脳の機能をしっかり使っていたが、数学の教師を退いてからも福祉活動に活発に取り組んでいたのだ

しかし、認知機能を上手に使えば脳がアルツハイマー病に侵されても本当に認知機能を保つことができるのだろうか?米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校、グラッドストーン研究所のレナード・ムッケ博士らの研究グループは延命タンパク質として知られる分子、クロトーのレベルを上げると、アルツハイマー病を発症したネズミの認知機能を改善することができると報告し話題を呼んでいる

研究グループはアルツハイマー病による認知機能低下を克服できるかネズミの実験で検証した。アルツハイマー病を発症するネズミに同時にクロトーを高レベルで生成させると脳はアルツハイマー病の病変が進んでいるのに認知機能が改善していることを明らかとした

ムッケ博士らが学習と記憶に関与している神経伝達物質の受容体を調べると、受容体の特性が若返っていたのだ。この研究でシスター ・メアリーの謎の一端が解明されたのかもしれない。

参考 産経新聞 2015.06.24

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