アルコールって脳に良いor悪い?

あの人の名前、えーっと……なんだっけ?」
年齢を重ねると誰にでも起きる物忘れ。でもお酒が好きな人にとっては、「もしかして飲み過ぎのせい?」と一抹の不安に襲われることもありますよね。そこで、今回アルコールは脳にどんな影響を与えるのか。一緒に考えてみましょう。

アルコールで脳は縮む?

高齢になると認知症患者が増えるのは、老化にともなう脳の萎縮が原因のひとつとされていますが、最近の研究で、お酒をたくさん飲む人の脳は、そうでない人に比べてより小さく縮む傾向があることが分かりました。(※厚生労働省eヘルスネット「アルコールと認知症」http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-007.html)

同じ年代の人で比べると、5年以上お酒を飲んでいる人の脳はそうでない人に比べて10~20%程度余計に縮む傾向が多いようです
摂取するアルコール量と萎縮の度合いはいわゆる「正の相関」で飲酒量が増えるほど脳の萎縮傾向がみられ、また飲酒歴が長い人ほど進行が早いという研究結果も出ています

認知症になるリスクは4倍以上?

お酒好きの人にとってはショッキングな結果ですが、加齢によってただでさえ萎縮傾向にある脳にアルコールが拍車をかけるとなると、どんな症状が起きるのでしょう

代表的なものはやはり、「記憶力や学習能力の低下」。物忘れをしやすくなったり、新しい知識を覚えることがいっそう難しくなることが考えられます
さらにアルコールは「認知症」や「うつ病」になる危険性も高めます高齢の男性を対象にした研究では、毎日のようにたくさんお酒を飲む人は、あまり飲まない人に比べて認知症を発症する危険性が4.6倍にうつ病のリスクは3.7倍になると報告されています

別の調査では、施設に入所している認知症の高齢者の29%が、大量飲酒が原因の認知症と考えられるという結果も出ています。
飲み過ぎが脳に悪影響を与えてしまうリスクはどうやら否定できないようです

◆赤ちゃんの脳にも影響する?

アルコールの脳への影響は、妊娠中の女性も注意が必要です
お酒は胎盤を通じて直接胎児の脳にダメージを与え、知能障害や発育障害などの「胎児性アルコール症候群」という障害のある子供が生まれることがあります

胎児の臓器が作られ始める妊娠3~8週間の飲酒が最も危ないとされますが妊娠中は全期間を通じてリスクがあります。妊娠の可能性がある人は常に注意し、妊娠がわかったらすぐにお酒をやめましょう

◆一方で予防効果も!

脳が縮もうが、酒はやめん!」そんな筋金入りの方もいるかもしれません。が、こうした研究成果をみると「お酒は飲みたいけど、脳が縮むのは避けたい」というのが多くの人の心情でしょう
そんな人たちに朗報もあります。

高齢者の飲酒量と認知症のリスクとの関係を調べた研究で、1週間に缶ビール(350mL)にして1~6本程度を飲む人がもっとも認知症の危険性が低く、まったく飲まない人や大量に飲む人よりリスクが低いことが判明

また、中年時代の飲酒量と認知症の関係を調べた調査では、まったく飲まない人や大量に飲む人(1日に缶ビール4本以上)と比べて、1日にビール1本以下程度飲む人が高齢になったときの認知機能の低下がもっとも少ない結果に少量や普通の量を飲む人は、リスクが2割から4割も少ないと報告しています

つまり、飲む量にさえ気をつければ、お酒はむしろ「脳に良い」可能性がありそうですが、ちなみに下戸の人が認知症予防のために飲んだとしても、効果があったという報告はないようです

参考 Mocosuku編集部 2015.09.07

【関連する記事】