アミノ酸濃度でガン発症検査

血液に含まれる20種類のアミノ酸の濃度を測定・解析し、がん発症の可能性を探る検査を、導入する医療機関が増えている。体への負担が少ないと聞き、検査でどこまで分かるのか、その結果をどのように生かせば良いのかを知るため、筆者(女性、47歳)も実際に受けてみた。(片岡達美)

 検査は「アミノインデックスがんリスクスクリーニング(AICS)」と呼ばれ、味の素(東京)が開発した技術を臨床応用約5ミリリットルの採血だけで、男性は胃、肺、大腸、前立腺の4種類、女性は胃、肺、大腸、乳、子宮・卵巣の5種類のがんを一度に調べることができる

健康な人の血中アミノ酸濃度はほぼ一定だが、臓器に異常があるとそのバランスが変わる臓器によって度合いに違いがあるため、それぞれのがんになる確率が分かるという。がんの有無をはっきりと判定する検査ではない。

味の素によると、実施する医療機関は現在全国に約900。受診者数は延べ約9万人に達した。今春には新たに膵臓(すいぞう)がんも加わる見込みで、メタボリック症候群などがん以外での実施も検討されている。

筆者が訪れたのは、「切らないがん治療」に特化した神戸低侵襲がん医療センター(神戸市中央区)。女性向けの5種類を調べてもらった。

結果は0・0~10・0の数値で示され、0・0~4・9が「ランクA」、5・0~7・9が「B」、8・0~10・0が「C」と3段階に分類される。数字が大きいほど、がんになるリスクは高い

筆者の結果は、半月ほどたって自宅に届いた。5種類のがんが全てランクB。ただ、気になったのが大腸の7・5と乳がんの7・7だった。

ランクCなら、がんを疑って精密検査を受けた方がいいが、「Cに近いBランクの判断が一番難しい」と同センター内科の内藤純子医師。乳がんの場合、ランクBはがんになるリスクが健康な人の1・8倍、大腸がんは同1・3倍という確率になる。

精密検査を受けるか否かは本人の考え方や捉え方にもよるが、大腸、乳がんについてなら「これまでに便潜血検査やマンモグラフィー(乳房エックス線)検査を受けたことがあるか、あるならいつ受け、どんな結果だったか確認する」と内藤医師。1年以内にこれらの検査を受けていない人には、精密検査を勧めているという。

筆者の場合、乳がんは定期的に専門医を受診していることから、それを継続するように、また大腸は一度、内視鏡検査を考えてみてもいいと助言された。

AICSががん以外の重大な病気の発見につながった例もあるという。ある60代の男性は肺がランクC、前立腺がBで、胸から腹部にかけての広範囲でコンピューター断層撮影(CT)検査を受けたところ、腹部の大動脈瘤(りゆう)がみつかった

同センターでは、AICSの採血時に健康相談にも応じている。「検査を機に健康への意識を高めてほしい」と内藤医師。「結果はあくまで確率。一喜一憂するのではなく、疑いを絞り込むための手段として活用してもらえれば」と話す

AICSは公的医療保険の対象外で、同センターでは税別で2万円かかる。導入している医療機関は「臨床アミノ酸研究会」のホームページから検索できる。

参考 神戸新聞 2015.01.22

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