アトピーにワセリン使用の注意点

理化学研究所の研究結果で、保湿剤のワセリンをあらかじめ皮膚に塗ることで、アトピー性皮膚炎の発症を予防できる可能性があると発表されました

ワセリンの使用には賛否両論がありますが、一般的なアトピー性皮膚炎の治療方法として「保湿を目的として白ワセリンを、炎症を抑える目的としてステロイド剤を使用する」というのがあります

上記の治療法が一般的なのですが、この度のニュースではステロイドを使用せずにアトピー性皮膚炎を対策できる」ということで非常に画期的な事であると考えられます

そこで今回は、医学博士の筆者が“賛否分かれるワセリンの真実と、子どもへの使用上の注意点”についてお話します。

川上先生

 

■石油由来だから身体に悪い!? 賛否の分かれる「ワセリンの真実」

ワセリンは非常に強い保湿能力を備えております。前述したように、アトピー性皮膚炎対策における保湿にも、以前から使用されていました。

もともとワセリンは“白ワセリン”と言う形で石油から作られているものです。石油と言うと何やら身体に非常に悪いイメージがあるかもしれませんが、この石油成分から悪いものを抜いたものがワセリンですので、石油を直接塗るというわけではありません

元が石油、つまり油の一種であるということで想像しやすいかもしれませんが、当然水をはじきます身体にワセリンを塗ることによって水分の蒸発を防いでくれる働きがあるために、保湿効果に優れています

分かりやすい例を挙げると、通常汗をかくときには水分が体から奪われるものですが、ワセリンと言う油分の膜によってその水分が外に出て行かないようにしているということになります

 

■過度にワセリン塗ってない!? アトピーに対するNG行動

アトピー性皮膚炎はアレルギーの一種です。つまり、アトピーに対するNG行動として挙げられるのが、“アレルゲンの摂取”ということになります

まずは、どのようなものに対してアレルギーがあるのかを確認しておく必要があります。

また、人間の体は、水分を外に出すことによって生体水分量を調節しているということも言えるので、保湿効果が表れるのと同時に水分の調節が上手くいかなくなる可能性があります。さらに、ワセリンによって皮膚と外界の間に膜を作ってしまうために、空気に触れることが難しくなり、皮膚の代謝能力が下がる可能性もゼロではありません

ですので過度な保湿や、必要以上なケアも考えものです。これも気づくなうちにやってしまいがちなNG行動の1つ、必要な部分だけ適度にケアを行うようにしましょう。

お医者さんにケアの仕方を伺って、ママとパパできちんと管理するようにしましょう。

 

■タイミングは入浴後!ワセリンの正しい用法

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source:http://www.shutterstock.com/

アトピーの治療薬として、やはりステロイドが用いられることが多いのですが、これは炎症を抑えるためには非常に強力なお薬です。

しかし、その分長期的に使用してしまうと副作用が出てきてしまったり、余計に悪化させてしまうということも考えられますので、炎症が起こっているところだけ、かつお医者さんの指示通りに用いるようにしましょう

そのような中で、やはりワセリンは今後注目されてくることが予測されます。正しく使ってアトピーを予防できるのであればそれに越したことはありません。

ではどのようなタイミングで使うのが良いのでしょうか?

例えば、お風呂から上がると体が痒くなってしまうという方も少なくありませんこれは入浴後の乾燥が影響しています

ですから、お風呂から上がった際に、痒みが生じてしまっている部分、もしくは全身に薄く適切な量をまんべんなく塗るということも重要になってきます。

また、注意点として、入浴時にはその日使ったワセリンをしっかりと落すようにしましょうそうしないとダニなどのアレルゲンがワセリンの表面についてしまっているとき、しっかりと落していないとそのアレルゲンが残ってしまうという可能性が考えられるからです。そうなるとまたアトピーが生じてしまうなんてことも

 

いかがでしたか?

ワセリンを常に全身に塗るというのはなかなか大変ですので、必要に応じてアトピーが気になる部分に塗るようにして下さい

また、痒みが生じていない部分でも、炎症が起きているという可能性も十分に考えられますので、ワセリンを使用する際にはまずかかりつけの医師に相談するようにしてみましょう。

 

【参考・画像】

※ アトピー性皮膚炎、ワセリンで発症を予防できる可能性

※ Beneda Miroslav / Grekov’s – Shutterstock

【著者略歴】

※ 川上 智史・・・北里大学大学院医療系研究科医学専攻博士課程修了、医学博士。予防医学を専門とし、医学的に美と健康に主眼を置き研究を続ける。各種教育機関や講演会において予防の重要性を啓発している。

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