ずぐ実感「酢しょうが」が持つ驚きのパワー

昨今、「酢たまねぎ」「酢キャベツ」など、「酢」を使った健康食材に注目が集まっています。食べるだけで健康的な生活が送れるなら、とトライしてみた人もいるのではないでしょうか。そんななか、また新しい食材が話題になっています。
その新食材とは――「酢しょうが」です
こう聞いて、「酢としょうが……それはもしかしたら、“ガリ”のことでは?」と思う人が多いかもしれません。そう、確かに材料はほとんどガリ。でも、その健康効果は計り知れません。今回は、そんな「酢しょうが」の魅力をご紹介します
■ すべての健康のカギは「血流」にあり

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私たちの身体は血液が巡ることですみずみまで栄養が届けられる仕組みになっています身体が冷えていると、血液の流れが悪くなり、脳や臓器など重要な部分に必要な栄養が行き届かず、それがさまざまな不調となって現れます

人間の理想的な体温は36.5~37.1度。これ、思ったよりも高いと思いませんか?  実は最近は、エアコンなどで温度が管理された空間にいることが長いため、自分で体温をコントロールする機能が衰え、慢性的な低体温になってしまっているといわれています。また、デスクワークによる慢性的な運動不足で筋肉が衰えているのも低体温の原因です。

体温が1度上がると免疫力は約5倍、基礎代謝量も12%ほどアップします。体温が上がるほど、病気になりにくく、痩せやすい体になっていきます

 だからといって、すぐにデスクワークを控えたり、運動して適度な筋肉をつけましょう、などと言われても、難しいのが現実。そこで、この「酢しょうが」が役に立つというわけです。

■ 「酢しょうが」の成分が体温を上げて代謝を促進!

「酢しょうが」の作り方は簡単です。

①しょうが200g(スーパーで買える袋入りのもの1袋くらいが目安)をみじん切りにする。

 ②電子レンジで4分ほど加熱する(600Wの電子レンジの場合)。

 ③しょうがと同じくらいの分量(200ml)の酢と、はちみつ大さじ1を加えて混ぜる

 こうして作った「酢しょうが」を毎日食べることで、体に変化が現れますしょうがは即効性が高いので、食べてすぐに体がぽかぽかしてくるのを感じるはずです

■ “ジンゲロール”と“ショウガオール”

しょうがに含まれる辛み成分のひとつ“ジンゲロール”には、血流を促進し、体の免疫機能を活性化させる働きがあります。また、加熱・乾燥することで“ショウガオール”という成分に変化。ジンゲロールに備わっていた効果が、さらに強力になります。しょうがをレンジで加熱するのはこのためです

また、しょうがには優れた抗酸化作用があります。老化の原因となる活性酸素を除去して、細胞のダメージを軽減。肌を若々しく保ちます。さらに、血小板の粘りを抑え、血栓を防いで血液サラサラ。免疫細胞を刺激して、体に本来備わっている免疫機能を活性化させ、病気になりにくい体を作ってくれます

しょうがは、生のものを乾燥させたものは生姜(しょうきょう)、加熱して乾燥させたものは乾姜(かんきょう)として、数多くの漢方の薬効成分として利用されています。しょうがの持つ効果は、それほど高いということなのです。

また、しょうがは「気剤」と呼ばれ、漢方では古くから気の薬として使われてきました。なんとなくだるい、朝起きられない、寝付けないなど、“心の不調”とされてきたさまざまな症状も、しょうがを摂ることによって改善される場合が多くありますそして「酢」には、優れた殺菌効果があり、それは腸の中でも発揮されます腸内の悪玉菌を倒して、腸の動きを活発にしてくれます。免疫細胞のほとんどは腸の中にあるので、腸がキレイになるということは、免疫のアップにもつながります

著者が副院長を務めるイシハラクリニックでは、数名の患者さんに実際に「酢しょうが」を生活に取り入れてもらい、その効果をアンケートにまとめています。代表的な意見としてよくあがるのは、

「酢しょうがで妊娠できた!
子宮・卵巣の血行がよくなり、働きが改善。同時にしょうがに含まれる“セックスミネラル”と呼ばれる亜鉛が、ホルモンバランスを整えたと思われます
リウマチの痛みを感じなくなった
しょうがには、消炎・鎮痛作用があるため、痛みなども楽にしてくれます
足が冷えて寝付けなかったが、眠れるようになった
酢しょうがの血行促進作用で、足先まで血が巡り、末端冷え性が改善したと考えられます
便秘が治った!
しょうがを食べたことで、血の巡りがよくなり、腸の動きが活発に。同時に酢が腸内の悪い菌を倒して、排出を促したのだと思われます

そのほかにも、「目の疲れが軽くなった」「体重が減った」「高血圧が改善した」など、いろいろな効果報告が寄せられています。

 ただ食べるだけで、さまざまな効果のある「酢しょうが」。一度トライしてみたくなった人もいるはず。それでは、具体的にどのように取り入れたらよいのでしょうか?

■ 毎日無理なく続けられる「酢しょうが」の使い方

料理が得意な人は、「酢しょうが」をレシピに利用するのがいちばんです。お肉の下味として使うと、肉を柔らかくして、味にコクを加えてくれます

また、煮魚などに入れると、魚の生臭さを取ってくれる効果があります「酢」由来の酸っぱさは、加熱することで飛んでしまうので、ほとんど気になりません。トマトスープやきんぴらなどの料理から、ドリンクやスイーツまで幅広く毎日の料理に取り入れられます

あまり料理をしない人は、麺類などのトッピングにするのがおすすめ。特に焼きそばなど濃い味付けの料理によく合います。また、白いごはんにのせるのもアリ。ほかにもドレッシング代わりにサラダにかけたり、お酒のつまみとして、そのまま食べてもおいしいです。紅茶に入れてアクセントにしてもいいでしょう。

しょうがは傷みやすい食材ですが、殺菌効果の高い酢と合わせることで腐りにくくなるため、一度作ってしまえば、冷蔵庫で2週間ほど日持ちします。保存は、必ずビンやタッパーなどの密封容器で行ってください

しょうがの効果は、即効性は高いものの、持続性がないのが特徴。そのため、毎日摂る必要があります。その意味でも冷蔵庫に「酢しょうが」を常備しておけば、毎日少しずつ気軽に摂ることができます。また、冒頭でもちょっと触れたように、作る時間すらない! という人は、市販のガリなどで代用することもできます

毎日続けるには、“簡単”、“気軽”ということも重要なので、その点でも「酢しょうが」は優れた栄養食品と言えるのかもしれません。ぜひ一度試してみてください。

(構成:上村絵美)

東洋経済オンライン 2016.03.26

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