これが水上特攻艇「震洋」

 太平洋戦争末期、旧日本海軍が開発した水上特攻艇「震洋」の実物大の復元模型が製作され、長崎県東彼川棚町中組郷の町郷土資料館に展示されている。関係者は「実際に触れることで感じるものがある。あらためて平和を考えるきっかけにしてほしい」としている。

元隊員らでつくる「特攻殉国の碑保存会」の資料によると、震洋は海軍が考案した9種の特攻兵器のうちの4番目の兵器で「マルヨン艇」とも呼ばれていた全長約5・4メートル。ベニヤ板製の簡素な作りで甲板部は6ミリ、底部は8ミリと1センチにも満たず、トラック用のエンジンを搭載していたという。船首部に約250キロの爆薬を積み、フィリピンや沖縄など激戦地で敵の艦船へ体当たりした。戦死者は2524人とされている

復元模型は昨年春に戦後70年の企画で在京テレビ局が提案。当時の設計図や写真を基に西彼時津町の模型製作会社が復元した。収録後、テレビ局から同保存会に寄贈され、震洋の訓練所のあった同町の資料館で展示されることになった

操舵(そうだ)席の装置はスピード調整のレバー、ハンドル、二つのボタンだけしかない。同保存会の世話人で訓練所のあった同町新谷郷総代の廣川英雄さん(78)は「金と時間をかけずに数が必要だった。必要最低限でまさに『前進あるのみ』という感じだったのだろう」と説明する

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ボートは資料館のホールに設置。福岡県福津市から訪れた岡山繁雄さん(82)は「震洋の存在は知らなかった。ベニヤ板の船で戦わされていたなんて…。昔の人の国を思う気持ちが伝わってくる」と興味深く眺めていた。

見学時間は午前8時半~午後5時。同町教育委員会職員の立ち会いがあれば、操舵席に座ることもできる。問い合わせは同町教委(電0956・82・2064)。

長崎新聞  2016.03.17

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