かつお節→ピンチ

太平洋の南方海域で操業する日本のカツオ・マグロ漁船が、コストの上昇にあえいでいる最大の要因は周辺国に支払う入漁料の大幅引き上げだ。巻き網漁船に続き、来年から、はえ縄漁船の入漁料も上がる見通し。この海域は、かつお節原料となるカツオの一大供給地で、漁業者からは「このままでは操業が困難になる」と悲鳴が上がる
主な漁場は、太平洋の赤道付近に広がるミクロネシア連邦やパプアニューギニア、キリバスなど8カ国の排他的経済水域(EEZ)だ特にカツオの漁獲の多くは、焼津港(静岡県)や枕崎港(鹿児島県)などで水揚げされ、国内のかつお節需要の約7割を賄う
日本の巻き網船は従来、水揚げ高の5%程度を入漁料として払ってきたが、8カ国は2012年に操業日数に応じて入漁料を課す共通方式を導入12年は1日当たり最低5000ドルだったが、14年は6000ドル、今年は8000ドル(約98万円)に値上げされた。海外まき網漁業協会(東京)によると、1隻当たりの負担は導入前に比べ4~5倍に膨らみ、年間支払額は約2億円に上るという
8カ国は6月中旬に開いた閣僚会合で、来年の巻き網船の入漁料は8000ドルで据え置くことを決定。また、来年1月からマグロのはえ縄船にも同様の方式の入漁料を課すことを確認。はえ縄船の入漁料も引き上げが確実視されている。収入の最大化に向け、操業枠の入札制度も取り入れ始めた。日本側の関係者は「良好だった島しょ国との関係が様変わりした」と嘆く。
魚価の低迷、海外の大型船との競争、燃油コストの上昇と遠洋漁業者を取り巻く環境は厳しさを増し、業界団体などは政府に入漁料の補助などを求めている。水産庁は「直接支援は難しい」(幹部)との立場だが、巻き網船の規制緩和や経営規模の拡大などで生き残りを後押しする検討を始めた。

参考 時事通信 2015.06.21

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