お寺でブーム蚊よけ対策

いよいよ夏本番。蚊に悩まされる季節になった刺されないための対策は市販の蚊取り線香や虫よけ剤が主流だが、近年では植物など体に優しい素材を使って蚊よけ対策に取り組む人が増えている。実践例を取材した。
二酸化炭素でおびき寄せ
泉涌寺(京都市東山区)執事の渡辺恭章さん(52)は6月下旬、僧侶たちが居住する庫裏(くり)に自作の「蚊取り装置」を置いた。
ペットボトルで作った装置の内部に二酸化炭素(CO2)を発生させ、蚊をおびき寄せて捕らえる方法。昨年、ネットを通じて広がり、周辺の寺でも多くの僧侶が取り入れたという。「宗派を超え、ちょっとしたブームでしたね
お寺には植栽や水場など蚊が発生しやすい場所が多く、夏のかゆみに頭を悩ませる僧侶は多いという「本堂でお香をたいていることもあり、煙や臭いが出る蚊取り線香は使えない。殺生が禁じられているため、殺虫剤も難しい。積極的に手が打てず、毎年刺され放題です」と苦笑する
 「蚊取り装置」は火の気がなく、煙や臭い、音が出ないのが長所。渡辺さんは、効果を高めるため独自の工夫を施した。装置の上部に黒く着色して筒状に丸めた厚紙を取り付け、蚊を誘い込む仕掛けを増強。「蚊は半日陰を好むので、黒く塗った筒の中に入ろうとするはずドライイーストを多めに使って二酸化炭素の量を増やすなど、改良を重ねていきたい」
■ハーブ利用の方法も
ハーブ類など植物が持つ虫の忌避成分を利用し、蚊を遠ざける人もいる。
京都市伏見区の主婦沢辺紀代子さん(62)は、3年前からローズマリーコモンセージを寄せ植えしたプランターを自宅の勝手口と窓の下に置いている。これらのハーブには蚊が嫌う香りの成分シネオールが含まれているといい、「以前より蚊が家の中に入ってこなくなったような気がします」。
同区の団体職員山下陽子さん(36)は、ハッカ油をストールに付ける方法で蚊を追い払う。希釈せず、原液を1~2滴。ハッカに含まれる成分メントールに蚊を遠ざける働きがあると知り、昨夏、初めて試した。
最初はカップに張った熱湯に垂らして香りを飛ばしたり、ティッシュペーパーに付けて机の端に置いたりした。いずれも効果が小さく、ふと思いついてストールに原液を付けたら、その日は蚊に刺されなかった。「首に巻いたストールは体温でずっと温められているので、香りの拡散が長時間続くのかも」
ただ、原液を使うだけに香りは濃厚。「半径10メートルぐらいまで香りが広がった日もある。職場などで使う時は、周囲の同意を得た方がいいでしょう」
■「蚊取り装置」の作り方
【材料】ペットボトルの空き容器(2リットルサイズ)1本、湯200ミリリットル、砂糖50グラム、ドライイースト2~3グラム
【作り方】(1)ペットボトルのキャップを外し、上部から三分の一程度のところで水平にカット。注ぎ口が下を向くようにして底部分にはめ込む
(2)40度前後の湯に砂糖を溶かし、容器に注ぎ入れる。ドライイーストを振り入れて完成
渡辺さんによると、イースト菌が発酵する過程で、蚊を引き寄せる二酸化炭素が発生。誘い込まれた蚊は装置の中に入り込み、出られなくなるという

参考 京都新聞 2015.07.12

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