お味噌汁を飲むと気持ちが落ち着くのは?

日本人の食卓に欠かせないお味噌汁あったかいお味噌汁を飲むと心が落ち着くような気がします味や香りをさることながら、お味噌汁に使う味噌の中には、私たちの心を穏やかにしてくれる多くの成分が含まれています

◆鎮静作用のあるメチオニン

味噌にはメチオニンというアミノ酸が含まれています体内で合成することができず、食べ物から摂取する必要のあるアミノ酸を必須アミノ酸といいますが、メチオニンも必須アミノ酸のひとつです

鎮静作用のあるメチオニンは抑うつ症状にも有効であることが知られています。また、肝臓の機能を高めて脂肪の燃焼を促すので、脂肪肝の予防・改善につながります

多くのエナジードリンクに含まれているタウリンは、メチオニンをもとに作られますタウリンには、興奮を抑制する働きのある、脳のグリシン受容体を活性化させる働きがあります。メチオニンからタウリンが十分に作られることで、不安やストレスが軽減し、精神的疲労の回復を期待できます。また、タウリンには傷ついた肝細胞の再生を促し、炎症を抑える働きがあります

メチオニン、そして、そこから作られるタウリンは不安を鎮め、リラックスした気持ちにさせてくれますそれが良質な睡眠につながり、疲労回復効果も期待できます

◆セロトニンの材料になるトリプトファン

味噌にはトリプトファンが含まれています。トリプトファンは、幸せホルモンとよばれるセロトニンの材料になる必須アミノ酸です。また、セロトニンは睡眠ホルモンとよばれるメラトニンに変わり、質の良い睡眠を可能にしてくれます

トリプトファンを摂取することで、日中は幸せホルモンの働きで幸福感を感じながら過ごし、夜は睡眠ホルモンの働きでぐっすり眠り、疲労回復を図ることができるでしょう

◆イライラを鎮めるレシチン

味噌にはレシチンが含まれていますレシチンは、体の一つひとつの細胞の細胞膜を構成する不飽和脂肪酸です神経を修復し、脳の働きを助けるため、精神安定剤としても使われていました。イライラを抑え、落ち着いた気持ちにさせる働きがあります

◆塩分を摂り過ぎないために

塩分が不足すると体内のミネラルバランスが崩れ、自律神経がうまく機能せず、精神的に低迷した状態になります。気分が落ち込む原因が塩分不足というケースもあります

ただし、意図的に極端な減塩をしていないかぎり、どちらかというと塩分の摂り過ぎが問題視されることの方が多いようです。お味噌汁には多くの塩分が含まれており、飲みすぎれば高血圧などの生活習慣病につながります。野菜に含まれるカリウムには塩分を排出する働きがあります。カリウムを豊富に含むワカメ、里芋、なす、ほうれん草、白菜などをお味噌汁の具として加えて塩分対策をしましょう

このように、お味噌汁を飲んだ時に気持ちが落ち着くのは、味噌に含まれている栄養素の観点からも根拠のあることでした。塩分の過剰摂取には注意し、日本に生まれた幸せを感じながら、お味噌汁をいただくのは精神衛生上とても良いことといえそうです
管理栄養士、サプリメントアドバイザー、食生活アドバイザー。株式会社とらうべにおいて、企業で働く人の食と健康指導、糖尿病などの疾病を持つ人の食生活指導にあたっている

参考 Mocosuku編集部 2015.09.16

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