うつ病の治療→どんなことするの?

もはやうつ病は、誰にでも起こり得るありふれた疾患と言えます。悪化すると日常生活をこなすことさえ困難になるため、うつ病が疑われる場合は医療機関の診察を受け、適切な治療を受けることが必要です。では、実際にうつ病の治療ではどんなことが行われるのでしょうか?

◆回復には時間が必要
うつ病の治療には時間が必要です。回復するまでの期間には個人差がありますが、数か月~1年以上かかると言われています。治療効果については、以下のような段階的な回復が見られます。

●急性期治療:服薬初期から12週程度
つらいうつ病の症状をなくすために、抗うつ剤による治療を行う時期症状の改善は、治療開始1か月くらいから見られ、3か月程度で気持ちが安定するのが一般的です。ただし、億劫感(ものごとへの面倒くささ)はなかなか取れず、半年以上改善しないことも多いと言われます。

また、この時期に症状がよくなっても、うつ病が治ったわけではありません症状がほぼ良くなったけれど完全に治っていない状態を「寛解」(かんかい)と言います急性期の治療では、症状が消失する直前や、寛解直後に症状がぶり返すことがあり、これを「再燃」と呼びます。状態は一進一退を繰り返しながら徐々に安定していきます。日々の症状の波に一喜一憂せず、根気よく治療を続けることが重要です。

●再燃を防ぐ継続療法:寛解後3~6か月以上
症状が寛解しても再燃を起こしやすい状態なので、継続した治療が必要です寛解後さらに3~4か月くらい服薬治療を続け再燃を防ぎますこの期間に再燃が起こらなければ「回復」と言い、休職中の場合には主治医と相談し、社会復帰を検討します。もちろん、回復後も再度うつ病を発症することはあり、これは「再発」と呼びます

●安定した状態を保つ維持療法:1~2年以上
回復後の再発を防ぐために、継続療法が完了したあとも1~2年くらい服薬治療を続けます。経過状態に応じて薬の量を減らしていきます(減薬)。急な服用中止(断薬)は再発を招くので、減薬は慎重に行う必要があります。一定期間維持療法を行ったあと、再発が見られないようなら断薬→治療終了となります。ただし、場合によってはより長期にわたって薬とつき合っていかなければならないケースもあります

◆うつ病治療の4つの要素
最後に、うつ病の治療を受けるにあたって大事な4つのポイントを列挙します。自分だけでなく、家族などにもこのことを知ってもらい、協力してもらうことが大切です。

●1.休養
うつ病は脳が疲れ果てて起こります。まずは、心身共にしっかり休養することが大切です。仕事をしている場合は、主治医とよく相談して、休養のとりかたを決めましょう。

●2.睡眠
うつ病は睡眠障害」を伴うことが多いと言われています。熟睡できず、夜中に起きてしまう「中途覚醒」や早朝に目が覚める「早朝覚醒」が起こり、慢性的な睡眠不足に陥るのです。睡眠には身体や脳の疲労を回復し、ストレスを解消する機能があります。従って、睡眠が十分にとれないと症状の改善も進みません。睡眠薬(眠剤)の助けを借りたほうがいい場合も多くあります。特に急性期には、睡眠を優先的に考える必要があります。

●3.薬の服用
うつ病治療には抗うつ薬が使用されます。抗不安薬や睡眠薬を併用することもあります。さらに、気分安定薬や抗精神病薬などを使用する「強化療法」を行うこともあります。いずれの場合にも、自己判断で薬を増減することは非常に危険です。薬について心配なことや不快な症状などがあれば、必ず主治医に相談しましょう。

●4.認知行動療法
物事をネガティブに受け止め、自分でストレスを大きくする傾向が強い場合は「認知行動療法」が有効です。認知行動療法は、考え方の「クセ」を改善し、気持ちを楽な方向に導いたり、偏った考えから起こる行動をコントロールしたりすることを目指します。ただし、認知行動療法は適正な診断のもと、薬物療法などと組み合わせることにより、再燃・再発の防止に役立つ治療です。現時点では、認知行動療法を行っている医療機関は限られています。

参考 Mocosuku編集部 2015.01.04

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