「銀行員は高級」→都市伝説?

平成27年3月期の国内銀行101行の平均年間給与(年収)が、前期比4万円増の616万円だったことが東京商工リサーチのまとめで分かったトップは三井住友銀行の879万5000円で2年連続、2位は東京スター銀行の821万2000円、3位はスルガ銀行の793万1000円となった。この給料、一体、高いのか安いのか…

同じ27年3月期の上場企業2305社の平均年間給与が616万5000円だった。これと比べれば、国内銀行の平均年間給与はほぼ同じ業種だけでみれば突出している印象はない「銀行は、一般職を除いた大卒の総合職採用の行員はもっともらっている」との指摘もあるが、これは製造業にも当てはまる。高卒の生産現場で働く技術職からのたたき上げの社員も含めた平均年収を公表しているからだ。

ただ、30歳前後から1000万円を超えるような、年収を得られる銀行も一部であり、こうした好待遇は他業界には多くない。入社から毎年100万円ずつ年収が上がる計算だ。売上高、利益とも国内で断トツのトヨタ自動車ですら、「40歳を超えて役職がつかないと、1000万円超はもらえない」(関係者)。このため、銀行に対し、製造業からは「もらい過ぎ」とのやっかみも多い。

一方で、銀行側にも言い分がある。銀行員は最後まで行員として務められる人は一握りで「ほとんどが50歳が事実上の“定年”」大手銀ともなれば多くの行員が、40歳半ば以降は出向や転籍を命じられ、給与が下がるなかには半減する人すらいるという。このため、残った一握りの人以外の生涯賃金は、製造業とさほど変わらないとの見方もある

30代のある大手銀の行員は苦笑まじりに、家庭生活をこう語る。

「給料が高いと周りにみられているため、生活レベルを落すわけにもいかず、周りを見回しても小学校から子供を有名私立に入れるケースも多い。塾を含め月15万円以上が教育費にとられている。生活が楽と思ったことは一度もない」と話す。

 もっと苦しいのは、平均年収が560万7000円の第二地銀の行員だ。「地方生活でこの金額ならば優遇されている」(製造業大手幹部)との見方もあるが、もらう年収は、上場企業の平均以下しかも「人口減で先細りは必至。大手銀と違い、人材難や体力がないなどの観点から海外進出がしづらく、先が心配」(地銀行員)との声が出ている

現在、大手地銀の勝ち組同士の再編が巻き起こっているが、「じり貧のわれわれは、蚊帳の外」(第2地銀行員)との切実な悩みもある

銀行は、貸し剥がしなどがテレビドラマでことさら強調されるうえ、「右から左に金を流すだけで、儲かる商売。金融強欲主義が世の中に蔓延している」(製造業大手首脳)などと揶揄される始末。ただ、熾烈な出世争い、早朝から深夜まで残業が続く過酷な部署もある。とある部署は、「早朝6時に出社し、帰宅は深夜2時が週3~4日」と、体力の限界を感じる行員も

高い年収をもらっている一握りのエリートが、すべての銀行マンのように語られるが、実態はわれわれが想像するより厳しいようだ

参考 産経新聞 2015.09.15

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