「週休3日制」導入で効率→売上アップ

 ウイークデーは月曜日から木曜日まで毎週末が3連休、という働き方もある
大分県国東市の廃校で段ボールを加工した立体造形品を製造・販売する「アキ工作社」(従業員11人)。大手ブランド「エルメス」のショーウインドーを飾り、ディズニーとのコラボ作品を請け負うなど国内外の仕事を手掛ける

同社は2013年6月、「国東時間」と呼ぶ週休3日制を導入した。きっかけは、創業以来伸びていた売り上げが初めて前年を下回ったこと。松岡勇樹社長(52)は、「労働時間を長くして会社が成長するとは思えなかった休日を充実させることで社員の創造性を高め、仕事の効率アップにつながると考えた」と振り返る
 勤務は午前8時から午後7時まで。休憩1時間を挟んで1日10時間働くが、実際の労働時間は週40時間で以前と変わらない

給料もそのままだ。導入前は2~3時間の残業が当たり前だったため、実質労働時間は5分の4に減少。一方、会社の売上高は前年比28%アップした

 「休日で心身がリフレッシュし、仕事の効率が上がったのは間違いない」と松岡社長日々の会議をなくし、月曜の朝礼でその週やるべきことをリスト化して木曜の終礼で進行状況を確認する。仕事は翌週に持ち越さないのがルールだ。取引先にも理解と協力を求め、緊急時には対応できる体制を整えた
営業を担当する森山長英さん(42)は、2年前に同社に転職した。前職では土曜も隔週で出勤し、休日はすべて家族サービスに充てていた。「今、子どもが学校に行く金曜には自分だけの時間がつくれるようになった
美術館や雑貨店に足を運び市場調査をしたり、携帯電話のアプリ開発に取り組んだり過疎化が進む地域ににぎわいを取り戻そうと、同社の従業員たちで祭りを企画、運営した農作業をする人や無償でサッカーの審判をする人もいる。「休日を漫然と過ごすのではなく、経験やスキルを磨く場にしてほしい」との思いから、本業に有益と認められた活動には特別手当も支給されている
自然豊かで独自の文化を持つ国東半島。東京で建築の仕事をして、Uターンした松岡社長は「借り物の時間ではなく、その土地固有の時間の中で働くべきではないか」。そんな「国東時間」の考えに共感し、地元の飲食店やクリーニング店などで休日を増やす動きが広がっている

「働き方の選択肢を増やし良い人材に長く働いてもらいたい」

 社会保険労務士法人「ドリームサポート」(東京)は、週4日勤務制度を5年前に導入した。同社の場合、1日7時間勤務のため給料は週5日勤務と比較すれば少なくなるが、日曜と希望する2日間を休める
顧客対応に影響が出ないよう、仕事状況を共有し、担当者不在でも別の社員が対応する。制度導入のコンサルティングも手掛ける安中繁代表(38)は「育児や介護、地域活動などとの両立もしやすい。デメリットは工夫すれば補える」といい、普及に力を入れている
ユニクロなどを展開するファーストリテイリングも今月から、転勤のない地域正社員を対象に週休3日制を導入した希望すれば、1日の勤務時間を10時間とする代わりに、平日に3日間休める。人手が必要となる土日の人員を安定的に確保できるのもメリットだ
同社では昨夏、週20時間以上の勤務を条件に正社員になれる制度を整備。パートやアルバイトからの転換を進め、地域正社員は1400人から1万人まで増えた。地域正社員になれば昇給や昇進、賞与があり、全国転勤がある総合職との行き来も可能だ
古河健介人事部長は「週5日フルタイム勤務だけでは対応できない時代。働き方の選択肢を増やすことで、良い人材に長く働いてもらいたい」と力を込める

参考 西日本新聞社 2015.10.23

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