「立ち入り危険」の住宅敷地→1000件以上

熊本県などでの一連の地震で、住宅の「敷地」の被害を調べる「被災宅地危険度判定」の結果「立ち入りが危険」と判定された敷地が、益城(ましき)町など3市町村だけで1182件(3日まで)に上った新潟県中越地震時の件数の倍以上にあたり、今後も増える可能性が高い。判定に強制力はないが自治体が避難指示などを出す判断材料になり、住めなくなっている人もいる

【写真】高台の住宅に住む女性(左)に庭先の崩落の危険度合いを説明する広島市の危険度判定士=4日午前、熊本市北区の龍田地区、遠藤啓生撮影

県が4日、発表した。

宅地の危険度判定は、地盤の亀裂や陥没、隆起の状態や、盛り土を固めた「擁壁」の状態を見て、地滑りなどの危険性がないかを調べる。市町村の要請に基づき、都道府県に登録した「被災宅地危険度判定士」が調査し、(1)立ち入りが危険(2)立ち入りに十分な注意が必要(3)被災度が小さい――の3段階で判定する。判定結果は所有者や自治体に報告される。

県によると、被害が大きい熊本市と益城町、西原村の住宅の敷地計7576件を3日までに調査。「危険」と判定されたのは熊本市が175件、益城町が781件、西原村が226件だった。4日からは御船、大津の両町でも開始。他の自治体も県に求めており、「危険」判定がさらに増える見込みだ。

県などによると、今回の判定は降雨や余震による二次被害を防ぐためのもの。住宅再建などで公的支援を受けるために必要な罹災(りさい)証明書のための調査とは異なる。「危険」と判定された私有地に住み続ける場合、専門業者による修復などの費用は原則として個人の負担となるという

大きな地震の際、盛り土による造成地で亀裂や地滑りなどが発生しやすい。家屋が無事でも敷地が「危険」なケースもある。造成地の被害は、1995年の阪神大震災や2004年の新潟県中越地震、11年の東日本大震災などでも目立った。中越地震では、15市町村(当時)で527件(新潟県調べ)が危険だと判定されている

地震後、個人が所有する宅地の危険度を知りたい場合、各市町村に問い合わせると、市町村が調査の必要性を判断するという。

大規模造成地の場所などの情報は、一部の自治体がホームページなどで公表している。(富田洸平、塩入彩)

朝日新聞デジタル2016.05.05

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