「ウナギ味」ナマズ→近畿大が開発

価格が高騰するウナギの代用食材にしようと、近畿大(大阪府東大阪市)などが養殖技術を開発した「ウナギ味のナマズ」の試食販売会が土用の丑の日の24日、東京と大阪で開かれる世界初のクロマグロ完全養殖を成功させた近大が開発した新食材には、飲食業界や小売業界から注文が殺到し、生産が追いつかないほどの人気「近大ナマズ」を中心にビジネスチャンスが生まれている

近大が直営する大阪市北区の飲食店「近畿大学水産研究所大阪店」で13日、養殖ナマズの試食会が報道関係者向けに開催されたかば焼きで振る舞われたナマズはウナギとほぼ見分けがつかず、皮は香ばしく身にも泥臭さはない身の柔らかさは国産ウナギには及ばないが、うまみは十分で、何も知らずに食べれば違いに気付くのは難しい

開発したのは、近大農学部の有路(ありじ)昌彦准教授と鹿児島県の養鰻(ようまん)業者「牧原養鰻」。

有路氏によると、国内のウナギの供給量は2000年で約15万トンだったが、14年には5万トンまで減少。近大には関係者から代用食材開発の要望が殺到し、09年から共同開発を進めてきた

有路氏はまず、沼などに生息する通常のナマズが泥臭い味なのに対し、琵琶湖北部のイワトコナマズが臭みがないことに着目良水質の環境でエビやアユを食べて育つ生態を参考に、繁殖力が強いマナマズを地下水と甲殻類など7種を配合した飼料で育て、臭みがなくウナギに似た味わいを実現した

このナマズはウナギに比べ育成期間が半分以下で、栄養面でもビタミンB群やタンパク質が豊富で引けを取らない小骨がないので食べやすく、ウナギではできない刺し身でも味わえるという

すでに国内外の業者から注文があり、今冬までに飲食店や百貨店などへの出荷を始め来夏までに約100トンの生産を計画大手スーパーからも大量の注文が寄せられているが、養殖が追いついてない

有路氏は「ナマズは食材として一般的ではなかったので稚魚の確保が課題繁殖に協力してくれる業者が見つかれば、すぐに養殖を増やすことができる」と自信を見せる

ウナギは繁殖技術が確立されておらず稚魚(シラスウナギ)を捕獲して養殖しているがナマズの繁殖は容易で、メスが産む1万個以上の卵はおよそ半数が数日でかえり数カ月で出荷に適した体長5センチ程度まで育つ

繁殖には金魚やコイの飼育技術があれば十分で、ビニールハウスを設置すれば水田でも可能米作りよりもはるかにもうかるビジネスになるはず」(有路氏)

近大は餌の配合を「極秘」としているがウナギの資源枯渇で苦しむ養鰻業者には、地下水で育てられる設備があれば餌や養殖技術を提供し、養殖態勢の強化とともに産業振興を目指す

価格は中国産うなぎより安い1キロ1500円程度だが、数年後には同1000円程度に抑えられる見込みで「手ごろな値段でウナギへの欲求を満たせるよう、養殖量を増やしたい」と有路氏。「近大ナマズ」が食卓にあがる日は近そうだ

参考 夕刊フジ 2015.07.23

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